診断・治療
編集協力:独立行政法人国立病院機構宇多野病院院長 梶 龍兒 先生
眼瞼痙攣の診断について
鑑別すべき疾患
鑑別すべき疾患として、片側顔面痙攣、眼部ミオキミア、チック、開瞼失行、眼瞼下垂があげられます。[1]
片側顔面痙攣:
通常片側性であり、他の同側顔面筋にも同期性攣縮がみられることが鑑別診断のポイントになります。
眼部ミオキミア:
線維束性収縮の群発により、体表面からさざなみ状の不随意収縮が観察できる現象です。針筋電図で特有の筋放電パターンを観察できれば、診断は確実です。
チック:
発症年齢が若いこと、一時的に症状を抑制できることが鑑別診断のポイントになります。
開瞼失行:
臨床的には額を持ち上げて開瞼しようとすることが鑑別のポイントになります。
眼瞼下垂:
余剰の皮膚を持ち上げてから、上方に眼球運動させると、上眼瞼は正常に後退するので鑑別が可能です。