上肢痙縮・下肢痙縮
ガイドラインにおけるボツリヌス療法の位置づけ
日本脳卒中学会、日本脳神経外科学会、日本神経学会、日本神経治療学会、日本リハビリテーション医学会により作成された2015年の脳卒中治療ガイドラインにおいて、上下肢の痙縮に対するボツリヌス療法は推奨グレードAとされています。
脳卒中治療ガイドライン 2015 ―痙縮に対するリハビリテーション―
ボツリヌス療法:上下肢の痙縮に対し、グレードAで推奨
グレードA:行うよう強く勧められる(1つ以上のレベル1の結果)
- 上肢の痙縮に対して、上腕、前腕および手指筋群へのボツリヌス毒素の注射は、上肢の痙縮の軽減、関節可動域の増加および日常生活上の介助量軽減に有効である(レベル1、レベル2、レベル4、レベル2)。
- 下肢の痙縮に対して、ボツリヌス毒素を下腿筋群に注射することは、下肢の痙縮の軽減に有効である(レベル2、レベル2)。
- ボツリヌス療法では定期的に痙縮の評価を行い、効果の減弱に合わせて反復治療を行うことにより、長期的な痙縮の改善効果が期待できる(レベル3)。
レベル1:ランダム化試験またはn-of-1試験のシステマティックレビュー
レベル2:ランダム化試験または劇的な効果のある観察研究
レベル3:非ランダム化比較コホート/追跡研究
レベル4:症例集積研究、症例対照研究、またはヒストリカルコントロール研究
日本脳卒中学会脳卒中ガイドライン委員会編. 脳卒中治療ガイドライン2015, 協和企画, 東京, 2015:295-298
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