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Q1. ラミクタールの適応症別の用法及び用量を教えてください。
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Q2. 何歳から投与できますか?
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Q3. ラミクタール単剤療法にバルプロ酸を追加する時の用量調節について教えてください。
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Q4. ラミクタール単剤療法にカルバマゼピン等のグルクロン酸抱合を誘導する薬剤を追加する時の用量調節について教えてください。
A4.
ラミクタール単剤療法にカルバマゼピンを追加する時の、用量調節の方法は確立していません。
本剤のグルクロン酸抱合に対して影響を及ぼす薬剤の投与開始又は投与中止により、本剤の血中濃度が変化することがあるので、本剤の用量や患者の状態に応じて用量調節を考慮するようお願いします。ご参考までに、併用薬剤別のラモトリギン消失半減期を下記にお示しします。併用薬が変更(追加・中止等)になる場合の血中濃度の目安としてご確認ください。
ラミクタールとグルクロン酸抱合を誘導する薬剤との併用時のラミクタールの維持用量は、成人てんかんの場合は200mg~400mg/日、双極性障害の場合は300mg~400mg/日です。
併用薬剤別のラモトリギン消失半減期
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Q5. 休薬した場合の再開方法を教えてください。
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Q6. 服用を忘れた時の対処法について教えてください。
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Q1. 妊婦への投与について教えてください。
A1.
承認時までに実施した国内臨床試験では妊婦、産婦等を対象とした試験は実施しておらず、妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。以下の報告を考慮し、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与をご検討ください。
(1) 海外での複数のプロスペクティブ調査において、妊娠第1 三半期に本剤を単独投与された総計2000例以上の妊婦の情報が収集されており、ラミクタール使用による大奇形発現リスクの実質的な増加は認められていないが、いくつかの妊娠調査において孤発性の口蓋口唇裂奇形発現リスクの増加が報告されています[1]。
一方、ケースコントロール研究においては、他の奇形と比較して、本剤の使用に伴う口蓋口唇裂の発現リスクが高いとの結果は得られていません[2]。本妊娠調査のデータは、多剤併用療法時の先天異常発現のリスクに対する本剤の影響について評価するのに十分なものではありません。(2) 動物を用いた生殖発生毒性試験において催奇形性作用は認められませんでしたが、本剤はジヒドロ葉酸還元酵素に対し弱い阻害作用を有するため、妊娠中に本剤を投与した場合、胎児奇形を誘発する危険性が考えられます。また、ラットで高用量投与による母動物の一般状態の悪化に関連した胎児体重の低値、着床後胚・胎児死亡率及び死産児数の増加、出生児回収率(哺育中の巣から出生児を離し、5 分以内に母動物が巣内に出生児を連れ戻す)の低下並びに出生後の生存率低下がみられました。
(3) 動物(ラット)において本剤の胎児への移行が認められたとの報告があります。
引用文献
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Q2. 授乳婦への投与について教えてください。
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Q1. ラミクタールに影響のある薬剤、影響の無い薬剤をすべて教えてください。
A1.
本剤のグルクロン酸抱合を誘導する薬剤、本剤のグルクロン酸抱合に対し影響を及ぼさない薬剤について、現時点で明らかなものを全て下表に列挙しています。併用の際にはご留意ください。
また、下表に記載の無い本剤のグルクロン酸抱合に対する影響が明らかでない薬剤による併用療法(てんかん又は双極性障害の治療に用いられる薬剤が本剤以外にも併用されている場合)では、バルプロ酸ナトリウム併用時の用法及び用量に従い投与を開始するようお願いします。ラミクタールのグルクロン酸抱合における併用薬剤の影響
本剤とグルクロン酸抱合が競合する薬剤 本剤のグルクロン酸抱合を誘導(促進)する薬剤 本剤のグルクロン酸抱合に影響を及ぼさない薬剤
バルプロ酸ナトリウム
フェニトイン
カルバマゼピン
フェノバルビタール
プリミドン
リファンピシン
ロピナビル・リトナビル配合剤
アタザナビル/リトナビル
エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル配合剤(経口避妊薬)アリピプラゾール
オランザピン
ゾニサミド
ガバペンチン
シメチジン
トピラマート
プレガバリン
リチウム
レベチラセタム
ペランパネル
ラコサミド
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Q1. 皮膚障害はどのような患者さんに出やすいのでしょうか?
A1.
国内外の臨床試験の結果から推察されるラミクタール投与中に皮膚障害の発現が増加し、症状が重篤化しやすい危険因子として下記の5つが報告されています。
(1) 用法及び用量の非遵守例
(2) バルプロ酸ナトリウム併用例
(3) 他の抗てんかん薬での薬疹の既往歴
(4) 13歳以下の小児
(5) 投与8週以内引用文献
[1]LaRoche SM, et al.:JAMA 2004;291:605–614
[2]Hirsch LJ, et al.:Epilepsia 2006;47:318-322
[3]Messenheimer J, et al.:Drug Safety 1998;18:281-296
出典
[4]ラミクタール インタビューフォーム
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Q2. 皮膚障害の発現率を教えてください。
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Q3. ラミクタールによる皮膚障害の特徴や発現時期について教えてください。
A3.
・ラミクタールにおける皮膚障害は、その形状は斑状・丘疹状の発疹として発現することが多いとされています。
・皮膚障害の発現率は本剤投与開始から8 週間以内に高いことが報告されています[1]。
また、発疹の初期徴候は、小児では「感染」と誤診されやすいので、ラミクタール投与開始後8週間以内に発疹や発熱などの症状がみられたら、特にご注意ください。
安全性Q1「皮膚障害はどのような患者さんに出やすいのでしょうか?」、
安全性Q4「皮膚関連の症状が出た時の対応、中止基準について教えてください。」も合わせてご確認ください。
引用文献
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Q4. 皮膚関連の症状が出た時の対応、中止基準について教えてください。
A4.
ラミクタール服用中に発疹等の皮膚障害が現れた場合には、本剤の投与を中止してください。処置が遅れると重篤な転帰をたどることがあるので、早い段階で皮膚科専門医に相談し、適切な処置を行うようにご指導ください。
また、発疹に加え以下に示す症状があらわれた場合には重篤な皮膚障害に至ることがあるので、直ちに本剤の投与を中止してください。
発疹の初期徴候は、小児では「感染」と誤診されやすいので、ラミクタール投与開始後8週間以内に発疹や発熱などの症状がみられたら、特にご注意ください。また重篤な皮膚障害発現時の対応については下記のwebサイトをご参照ください。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 『重篤副作用疾患別対応マニュアル』https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/adr-info/manuals-for-hc-pro/0001.html(2023年11月閲覧)
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Q5. 過量投与時の対処法について教えてください。
A5.
海外において、本剤15g までの過量服用が報告されています。過量投与により、眼振、失調、意識障害、大発作痙攣、昏睡等の事象が発現しています。
過量投与が疑われた場合には、必要に応じ患者を入院させてください。また、バイタルサインを頻回チェックし、患者の状態をよく観察し、輸液を行うなど一般的な支持療法が必要となります。さらに、必要に応じ、胃洗浄を実施してください。
血中からの本剤の除去方法として、血液透析の有効性*は明確ではありません。*ご参考までに海外において外国人腎機能障害患者12 例(クレアチニンクリアランス:平均13mL/min)及び透析患者6 例(血清クレアチニン:平均854μmol/L)に本剤100mg を単回経口投与した試験において、血液透析を4 時間実施した場合、体内に存在するラモトリギンの約20%が透析により除去されたことが報告されています[1]。
出典