骨髄線維症(MF)の病態
MFの病因としてJAK-STAT(シグナル伝達兼転写活性化因子)経路が重要な役割を果たすと考えられています1)。
原発性骨髄線維症(PMF)患者の多くがJAK2、CALRまたはMPLのいずれかの遺伝子変異を認め、いずれの変異もJAK-STAT経路を活性化します2)。JAK-STAT経路が恒常的に活性化されると、骨髄の線維化、持続的な全身性炎症、ならびに血球分化および血球機能の異常が引き起こされます3)。
また、MFの貧血には鉄代謝の調節因子であるヘプシジンの過剰な産生が寄与しています。ヘプシジンの産生にはIL-6を介したJAK-STAT経路が関与するだけでなく、ACVR1(アクチビンA受容体1型)[ALK2(アクチビン受容体様キナーゼ2)]が中心的な役割を果たすことが示唆されています4,5)。ACVR1はBMP(骨形成タンパク質)受容体であり、PMFではBMP6などが過剰に発現していることが報告されています6)。ACVR1を介したシグナル伝達が活性化すると、ヘプシジンの産生が増加し、腸細胞からの鉄吸収の減少、マクロファージ内からの鉄再利用の減少および肝細胞から鉄供給の減少が生じる結果、赤血球造血のための鉄利用能が低下します。
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