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眼障害のマネジメント|Q&A

  • Q1:ブーレンレップ(以下、本剤)は、なぜ眼に影響を及ぼすのですか?

    A1:

    [本剤による眼障害の機序]
    本剤による眼障害の機序は不明ですが、ADCのオフターゲット毒性に起因する可能性が考えられています1)​。本剤は、角膜上皮細胞内に取り込まれ、アポトーシスを誘導することにより、点状表層角膜症や小嚢胞様沈着等の角膜症を引き起こす可能性があります1)​。角膜上皮のアポトーシス細胞が視軸の方へ移動することで、視力の変化、ドライアイや霧視等の症状があらわれると考えられます1)​

    [角膜上皮細胞の再生機能]
    一般的に、角膜上皮細胞はターンオーバーするため、自己修復・再生する機能を有しているとされています1,2)​

  • A2:

    本剤の投与により、眼障害が発現したことが報告されています。
    眼科検査で認められる角膜上皮の変化には、視力変化を伴う場合と伴わない場合があります 3)

    DREAMM-7試験4)( BelaVd群 242例)

    • 本剤を投与された患者における主な眼障害(全Grade)は、霧視160例(66.1%)、ドライアイ123例(50.8%)、羞明114例(47.1%)、眼の異物感106例(43.8%)、眼刺激103例(42.6%)、眼痛77例(31.8%)でした。
    • 角膜事象(KVAスケール、治験依頼者評価)として角膜検査所見(全Grade)が208例(86%)、最高矯正視力の変化(全Grade)が216例(89%)で認められました。

    DREAMM-8試験5)(BelaPd群 150例)

    • 本剤を投与された患者における主な眼障害(全Grade)は、霧視119例(79.3%)、ドライアイ91例(60.7%)、眼の異物感91例(60.7%)、眼刺激75例(50.0%)、羞明66例(44.0%)、眼痛49例(32.7%)でした。
    • 角膜事象(KVA スケール、治験依頼者評価)として角膜検査所見(全 Grade)が 130 例(87%)、最高矯正視力の変化(全Grade)が137例(91%)で認められました。

    注)眼障害は、器官別大分類の「眼障害」に加え、注目すべき眼の有害事象として基本語の172個の事象を集計したデータを示しています。

  • A3:

    DREAMM-7 試験4,6) 及び DREAMM-8 試験5,7) では、角膜上皮障害(軽度の点状角膜症を除く)を有する患者は除外されました。
    なお、白内障及び緑内障を併存疾患とする患者又は既往歴のある患者は除外されておらず、両試験に組み入れられました。両試験において最も一般的な眼に関する併存疾患(各試験のいずれかの治療群で5%以上)として白内障を認めました。また、最も一般的な眼に関する既往症(各試験のいずれかの治療群で2例超)として白内障、白内障手術を認めました。

  • A4:

    DREAMM-7試験及びDREAMM-8試験における角膜事象(KVAスケール、治験依頼者評価、安全性解析対象集団)の初回発現までの期間は、以下の通りでした。
    いずれの試験においても、角膜事象に対しては用量変更(減量、休薬)による管理を行いました4-7)

    DREAMM-7試験4)( BelaVd群 242例)

    • Grade 2以上の角膜検査所見の初回発現までの期間(中央値)は44.0日(IQR:40.0-88.0)でした。
    • Grade 2以上の最高矯正視力の変化の初回発現までの期間(中央値)は52.5日(IQR:42.0-81.0)でした。

    DREAMM-8試験5)(BelaPd群 150例)

    • Grade 2以上の角膜検査所見の初回発現までの期間(中央値)は46.5日(IQR:28.0-84.5)でした。
    • Grade 2以上の最高矯正視力の変化の初回発現までの期間(中央値)は58.5日(IQR:52.5-113.0)でした。
  • A5:

    DREAMM-7試験及びDREAMM-8試験における角膜事象(KVAスケール、治験依頼者評価、安全性解析対象集団)の初回発現から回復までの期間は、以下の通りでした。

    DREAMM-7試験4)( BelaVd群 242例)

    • Grade 2以上の角膜検査所見の初回発現から回復までの期間(中央値)は95.5日(IQR:60.0-234.0)でした。
    • Grade 2以上の最高矯正視力の変化の初回発現から回復までの期間(中央値)は51.0日(IQR:22.0-99.0)でした。

    DREAMM-8試験5)(BelaPd群 150例)

    • Grade 2以上の角膜検査所見の初回発現から回復までの期間(中央値)は92.0日(IQR:55.5-169.5)でした。
    • Grade 2以上の最高矯正視力の変化の初回発現から回復までの期間(中央値)は57.0日(IQR:29.0-87.0)でした。
  • A6:

    DREAMM-7試験及びDREAMM-8試験における眼障害の発現率は以下の通りでした。

    DREAMM-7試験4)( BelaVd群 242例)

    • 眼障害は81.0%(196/242例)で認められました。

    DREAMM-8試験5)(BelaPd群 150例)

    • 眼障害は90.7%(136/150例)で認められました。
  • A7:

    本剤の投与中はコンタクトレンズの装着を避けるよう患者を指導してください3)

  • A8:

    本剤の投与により視力低下につながる霧視等の眼障害が高頻度に認められているため、自動車の運転や機械の操作等を行う際に注意するよう、患者を指導してください3)

  • A9:

    主な管理方法は以下の通りです3)

    • 本剤による治療に際しては、処方医(血液内科医)と眼科医の連携が必要です。本剤の投与開始前に眼科医による診察を実施してください。また、本剤の投与開始前も含め本剤の初回から4回目までの各投与前は必ず、その後の投与期間中は必要に応じて、眼科医による視力検査及び細隙灯顕微鏡検査を含む眼科検査を実施し、患者の状態を十分に観察してください。
    • 眼の異常が認められた場合には、処方医(血液内科医)に相談の上、速やかに医療機関(眼科)を受診するよう患者を指導してください
    • ドライアイ等の眼症状を軽減するため、本剤投与中は防腐剤を含まない人工涙液を1日4回以上投与するよう、患者を指導してください。
    • 本剤の投与中はコンタクトレンズの装着を避けるよう患者を指導してください。
    • 眼障害を管理する上で、本剤の投与中止/用量変更が必要となる場合があります。

  • A10:

    眼の異常が認められた場合には、処方医(血液内科医)に相談の上、速やかに医療機関(眼科)を受診するよう患者を指導してください3)
    また、受診時にはブーレンレップ手帳を持参するようお伝えください。

  • A11:

    DREAMM-7試験4) 及びDREAMM-8試験5)における眼科検査は、初回投与では本剤投与前28日以内、投与開始以降は本剤投与前5日以内とするが、可能な限り本剤の投与に近い時点に評価の予定を立てることを最大限努力するよう規定されていました。

1)Farooq AV, et al. Opthalmol Ther. 2020; 9(4): 889-911. 利益相反:本試験にかかわる費用はGSKが負担した。著者には、同社が助成金等を支払った者、同社の社員が含まれる。
2)Nuzzi A, et al. Int J Mol Sci. 2022; 23(21): 13114.
3)ブーレンレップ電子添文 2025年5月作成(第1版)
4)承認時評価資料:国際共同第Ⅲ相試験(207503:DREAMM-7試験)
5)承認時評価資料:国際共同第Ⅲ相試験(207499:DREAMM-8試験)
6) Hungria V, et al. N Engl J Med. 2024; 391(5): 393-407. 利益相反:本試験にかかわる費用はGSKが負担した。著者には、同社のコンサルタント等であった者、同社の社員が含まれる。
7) Dimopoulos MA, et al. N Engl J Med. 2024; 391(5); 408-421. 利益相反:本試験にかかわる費用はGSKが負担した。著者には、同社が研究助成金等を支払った者、同社の社員が含まれる。

製品名はすべて、グラクソ・スミスクライン、そのライセンサー、提携パートナーの登録商標です。

製剤写真及びPDF資料は、患者指導の目的に限りダウンロード頂けます。

PM-JP-BLM-WCNT-250050 2025.09