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狂犬病とは

狂犬病の病態

狂犬病の発症機序

狂犬病ウイルスは、狂犬病を発症した動物の唾液中に含まれており、咬傷などから唾液中のウイルスが体内に感染します。咬傷のほかにも、傷口や粘膜を感染した動物になめられることで感染したり、ウイルスを含む噴霧を吸い込んで嗅神経から感染することもあります1)
狂犬病ウイルスに感染した場合の体内におけるウイルス動態(図)は、動物もヒトも同じです。傷口から侵入したウイルスは、咬傷部位でゆっくりと増殖します。その後、末梢神経から神経系に入り、軸索を求心性にゆっくりと移動し、脊髄、脳に到達します。その後、ウイルスは神経を遠心性に移動し全身臓器に分布します2)

伊藤直人, 杉山 誠:ウイルス. 2007; 57(2): 191-198. より作成

狂犬病の症状の進行

ヒトの狂犬病のおもな症状はウイルス性脳炎による頭痛、発熱、意識障害、痙攣、異常行動等です。臨床経過は、潜伏期、前駆期、急性神経症状期、昏睡期に分けられます(図)。
潜伏期は長いことが特徴であり、多くは1~3か月ですが、1週間未満や1年以上経過して発症することもあります。潜伏期を過ぎて前駆期に入ると、咬まれた部位の灼熱感や疼痛、かゆみなどの知覚異常があらわれたり、発熱、全身倦怠感、食欲不振、頭痛といった風邪に似た症状が2~10日間ほど続きます2、3)
その後、前駆期に続いて急性神経症状があらわれます。落ち着きのなさ、極度の不安感、活動性の亢進、興奮状態、幻覚・幻視、筋の痙縮などの神経症状が1週間ほど続きます。この間には、飲水時に咽頭の痙攣が起こり、息苦しさや嚥下困難が生じるために水を怖がる「恐水症」や、顔に空気が触れることで痙攣が起こるために風を怖がる「恐風症」といった狂犬病に特徴的な症状があらわれます2、3)
<補足>
狂犬病の病型は2つに分けられます。1つは恐水症や恐風症、活動の亢進、興奮状態などの症状を示す「狂躁型狂犬病」で、狂犬病の約8割を占めます。残りの約2割には、恐水症や恐風症などの症状はみられず、前駆期の段階から麻痺症状があらわれるため、「麻痺型狂犬病」といいます3)
狂躁型、麻痺型のいずれの場合でも、進行すると昏睡状態に陥ります。狂躁型では、急性神経症状期の間に、意識状態が徐々に悪化していき、昏睡に至ります。
一方、麻痺型は麻痺が先行してあらわれるため、全身に麻痺が拡がります。そうして、両者とも呼吸停止・心停止でほぼ100%死に至ります。

齊藤信夫, 西園晃:小児科臨床. 2017; 70(増刊号): 2352-2358.、
山本舜悟:臨床と微生物. 2015; 42(1): 69-74. より作成

イヌの狂犬病

狂犬病ウイルスに感染したイヌにおける狂犬病の潜伏期間は0.5~2か月ほどであることが多く4)、ウイルスの唾液中への排泄は最も早くて発症13日前、一般的には3~5日前に始まります5)。潜伏期間中の体内におけるウイルスの潜伏場所は不明とされています5)。発症後は通常10日以内(前駆期2~3日、狂騒期・麻痺期1~7日)に死亡します4)。そのため、WHOは咬傷動物(イヌ、ネコ)を10日間観察して健康状態に問題がなかった場合、その咬傷動物が狂犬病ウイルスに感染している可能性は低く、その後の曝露後発症予防を中断してよいとしています2)

1)井上智:モダンメディア. 2010; 56(2): 25-31.
2)齊藤信夫, 西園晃:小児科臨床. 2017; 70(増刊号): 2352-2358.
3)山本舜悟:臨床と微生物. 2015; 42(1): 69-74.
4)平成24年度厚生労働科学研究「動物由来感染症に対するリスク 管理手法に関する研究」分担研究班:狂犬病対応ガイドライン2013. p8-9, 2013.
5)源宣之:モダンメディア.2005; 51(7): 160-166.

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