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狂犬病とは

狂犬病ウイルス

狂犬病ウイルスとは

狂犬病の原因となる狂犬病ウイルス(rabies virus:RABV)は、ラブドウイルス(Rhabdoviridae)科リッサウイルス(Lyssavirus)属に分類されるウイルスです。リッサウイルス属には7つの遺伝子型があり、狂犬病ウイルスは遺伝子型1に分類されます。このほかの2~7型のウイルスは、3型を除き、すべてコウモリから分離されています1)。これらのウイルスは、感染したヒトや動物での症状が狂犬病と類似していることから、狂犬病関連(類似)ウイルスと呼ばれています2)。近年、中央アジアやヨーロッパのコウモリから分離されたリッサウイルスではこれまでとは異なる遺伝子型が報告され、未分類に区分されています1)

狂犬病ウイルスは、直径約75nm、長さ100~300nmのRNAウイルスであり3)、形状は弾丸型です(図)。ウイルス粒子は、脂質二重膜から成るエンベロープを有しているため、アルコールや界面活性剤、次亜塩素酸等の処理を行うことでエンベロープが破壊され、ウイルスは容易に不活化します1)

狂犬病ウイルスのゲノムは、全長12,000塩基の長さの1本鎖RNAで、ウイルス粒子は5つの構造タンパク質(N、P、M、G、L)から構成されています。5つの構造タンパク質の中でもGタンパク質だけがエンベロープを貫通してウイルス粒子の外表に露出しており、宿主細胞への吸着・侵入に利用されます。エンベロープの内側にはMタンパク質がゲノムをつなぎとめています。ウイルス粒子内のゲノムRNAはNタンパク質と結合してらせん構造をとり、LおよびPタンパク質が加わることでribonucleoprotein(RNP)複合体を構成します。Lタンパク質はRNA依存性RNAポリメラーゼであり、転写や複製に関与しています。Pタンパク質はLタンパク質とともにポリメラーゼ活性を有しています1、2、4)

狂犬病の発生状況

狂犬病ウイルスは、ほとんどすべての哺乳動物に感染する可能性があります。イヌやネコ、ウシ、ウマなどの家畜のほか、野生動物ではキツネ、タヌキ、スカンク、アライグマ、コウモリなどが主な感染源となっています。先進国では野生動物が、発展途上国ではイヌが主な媒介動物です5)。なお、ヒトの狂犬病の感染源は、イヌが99%を占めています6)

狂犬病ウイルスは、動物からヒトへ感染する人獣共通感染症の病原体であり、感染したヒトからヒトへの感染は報告されていませんが、海外では臓器移植患者が移植後に亡くなっている症例が報告されています7)

1)西園晃:臨牀と研究. 2016; 93(12): 1559-1564.
2)源 宣之:ウイルス. 2004; 54(2): 213-222.
3)World Health Organization (WHO). Expert Consultation on Rabies. WHO Technical Report Series 1012, p10, 2018.
4)万年和明:ウイルス. 2002; 52(1): 21-25.
5)Rupprecht CE, et al.: Lancet Infect Dis 2002; 2: 327-343.
6)Fooks AR, et al.: Nat Rev Dis Prim. 2017; 3: e17091.
7)Srinivasan A, et al.: N Engl J Med. 2005; 352: 1103-1111.

製品名はすべて、グラクソ・スミスクライン、そのライセンサー、提携パートナーの登録商標です。
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