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疫学

RSウイルスは、生涯を通じて繰り返し感染する可能性があります

全年齢層におけるRSウイルス感染による負担

RSウイルスは2歳までにほぼ100%が感染します1)。しかし、自然感染後の免疫応答は不完全で長く続かないため、RSウイルス感染は生涯にわたって繰り返し起こります2)3)。そのため、RSウイルス感染症は乳幼児期のみならず、高齢者においても負担をもたらす可能性がある呼吸器感染症の1つとして注目されています。

全年齢層におけるRSウイルス感染による負担
  1. Centers for Disease Control and Prevention (CDC),Symptoms and care. https://www.cdc.gov/RSV/about/symptoms.html (アクセス 2023年4月)
  2. Openshaw PJM et al:Annu Rev Immunol 2017;35, 501–532
  3. 国立感染症研究所 感染症発生動向調査週報2013年第36号<注目すべき感染症>RSウイルス感染症 https://www.niid.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-idwrc/3972-idwrc-1336-01.html(アクセス 2023年7月)
  4. Branche AR et al:Clin Infect Dis 2022;74(6), 1004-1011
  5. Centers for Disease Control and Prevention (CDC), RSV in older adults and adults with chronic medical conditions. https://www.cdc.gov/rsv/high-risk/older-adults.html (アクセス 2023年3月)より作図

RSウイルス感染症は乳幼児で多くみられますが、高齢者でも入院や死亡がみられると推定されています

年間のRSウイルスによる負担(乳幼児と成人)

年間のRSウイルスによる負担(乳幼児と成人)

方法
60歳以上の成人におけるRSウイルス関連急性呼吸器感染症の発症率等を検討した研究報告について、2000年1月1日~2021年11月3日に発表された英語文献をPubMedを用いて系統的に検索するとともに、引用検索、以前のメタアナリシスで引用された未発表研究、非公式の文献・報告書、RSウイルスに限定した抄録・パンフレットに基づいてデータを収集した。抽出された21の研究データを用いてメタアナリシスを行い、60歳以上の成人におけるRSウイルスによる急性呼吸器感染症発症率、RSウイルス感染症による入院率、RSウイルス感染症による院内死亡率の統合推定値を算出し、日本の60歳以上の成人におけるRSウイルス関連急性呼吸器感染症、入院、院内死亡の発生数を推算した。
RSウイルスによる急性呼吸器感染症発症率1.62%(統合推定値)および2019年の日本の60歳以上人口43,191,000人より算出
RSウイルス感染症による入院率0.15%(統合推定値)および2019年の日本の60歳以上人口43,191,000人より算出
RSウイルス感染症による院内死亡率7.13%(統合推定値)および日本の入院件数より算出

本研究の限界
RSウイルスによる疾病負担の推定値の範囲は試験ごとに異なり広かった。他のメタアナリシスとの差は、方法、使用データ、症例定義、RSウイルス検出法、対象シーズンの違いなどによるものである。RSウイルスによる疾病負担は加齢に伴い増加するが、年齢で階層化するデータが不足している。また年、年齢区分は一様ではない。解析されたデータの大半は、都市部の学術的な環境における集団のデータであった。本集団の人口統計学的特性および併存疾患の有病率に基づいたRSウイルスによる疾病負担の推計値は、全国的なものではない可能性がある。院内死亡率は、実際にRSウイルス感染による死亡者数とは異なる。それは、院内死亡患者の割合は国ごとに異なり、特に高齢者は在宅型の治療継続を奨励する場合も多く、RSウイルス感染の正確な把握が難しい。本レビューの対象試験においては、いかなる死亡についても推定値の計算用に報告された。文献検索におけるタイトル・アブストラクトのスクリーニングは1名のみで行った。バイアスリスクの評価は実施しなかった。本メタアナリシスでは、高所得国で実施された試験を対象としたが、全地域の結論に一般化するにはデータが不足していた。さらに、対象としたサーベイランスに共通した限界として、以下のような限界が挙げられる。高齢者のRSウイルス検査が定期的に実施されていない。通常、高齢者がRSウイルスに感染しても分かりにくい。RSウイルス専用の症例定義を用いたサーベイランスがない。低・中所得地域のデータが不足しており、60歳以上のRSウイルス感染症による負担を世界全体で推定するためには、これらの地域のデータが必要である。

  1. Savic M et al:Influenza Other Respir Viruses 2023; 17(1), e13031[利益相反:著者にグラクソ・スミスクライングループ企業の社員が含まれる。著者に本報告のデータ解析作業中にグラクソ・スミスクライン(株)がコンサルタント料を支払った者が含まれる。]
  2. 国立感染症研究所 感染症疫学センター「感染症発生動向調査からみる2018年~2021年の我が国のRSウイルス感染症の状況」(掲載日2022年9月16日) https://www.niid.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-idwrs/11487-RSV-20220916.html (アクセス 2023年4月)

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