疫学
●国内の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)患者
- 日本国内において、レセプトデータを用いてEGPAの有病率を検討したところ、EGPA有病率(95%信頼区間)は4.2(0-23.7)/100万人(2005年)から38.0(31.8-45.1)/100万人(2017年)に増加し、女性が男性より多く(図1)、年齢とともに増加したと報告されています(図2)7。
●世界のEGPA患者
EGPAに関連する発症率、有病率、疾病負荷を記述するために、系統的文献レビューとメタ分析を行った報告 8 によると、EGPAの世界的な有病率は、ドイツの100万人当たり2.0例からノルウェーの100万人当たり30.4例と幅がみられました。性別による有病率の違いは認められず、推定値は男性で100万人当たり1.6~14例、女性で100万人当たり6~14例でした。時間、国/地域別、または診断基準別の有病率の違いは観察されませんでした。EGPA有病率の統合推定値(95% 信頼区間)は、世界的には100万人当たり15.27例(11.89-19.61例)、ヨーロッパでは100万人当たり12.13例(6.98-21.06例)であったと報告されています 8。
- Sada KE et al:Mod Rheumatol 2014;24(4),640-644
- 厚生労働省:令和3年度衛生行政報告例(令和3年度末現在)「特定医療費(指定難病)受給者証所持者数 年齢階級・対象疾患別」https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/2023/02/koufu20221.pdf(2023年3月31日アクセス)
- 天野宏一:日本臨牀 2018;76(suppl. 6), 261-263
- 福冨友馬 他:アレルギー 2010;59(1), 37-46
- Fukutomi Y et al:Allergol Int 2011;60(4), 443-448
- 谷口正実 他:アレルギー 2020;69(5), 293-303
- Sada KE et al:Mod Rheumatol 2022;32(2), 380-386
- Jakes RW et al:Clin Rheumatol 2021;40(12), 4829-4836