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歴史

1951年:米国の病理医Churgと小児病理医Straussは、喘息と肺浸潤影、末梢血好酸球増多のある結節性多発動脈炎(polyarteritis nodosa:PAN)の23剖検例を検討しました。その中の14例に壊死性血管炎、好酸球浸潤、血管外肉芽腫を認め、アレルギー性肉芽腫性血管炎として結節性多発動脈炎より独立した疾患として報告しました1。その後、彼らの功績を称え、本疾患は長年Churg-Strauss症候群と呼ばれていました 2

米国の病理医Churgと小児病理医Strauss

1982年:Daviesらにより抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)が発見されました。1985年にWoudeらによりANCAが現在の多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA)の診断や疾患活動性の指標になることが報告されたことにより、これまで免疫学的機序が明らかでなかった血管炎にANCAという自己抗体が認められる一群があるということが認識され、一気に血管炎研究の機運が高まりました4

1990年:米国リウマチ学会(American College of Rheumatology:ACR)から主要な血管炎症候群の分類基準が発表され、GPAと好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)は独立した疾患として定義されましたが、顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis:MPA)はその中には含まれていませんでした5

1994年:血管炎・ANCA国際会議のメンバーが中心となってCHCC(Chapel Hill Consensus Conference)1994が開催され、障害血管の血管径による分類がなされ、小型血管炎ではGPA、EGPAに加え、MPAがPANから独立した疾患概念として明確に区分され、ANCA関連血管炎として総称されるようになりました5

2012年:2011年に血管炎・ANCA国際会議のメンバーを中心に、CHCC1994の改訂を目指して再度Chapel HillにおいてConsensus Conferenceが開かれ、2012年にその討議内容CHCC2012がArthritis Rheumatologyに掲載されました 5 6。Churg-Strauss症候群からEGPAに名称が変更され 5、それに伴い邦名もアレルギー性肉芽腫性血管炎から好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に変更されました 7。CHCC2012において、EGPAの定義として①主に呼吸器系に発現する好酸球性炎症かつ壊死性肉芽腫性炎、②おもに小~中血管の壊死性血管炎、③喘息と好酸球増多を伴う、④糸球体腎炎(ただし日本人では少ない)を認める場合はANCA陽性になりやすい、とされました 5 8

血管炎の分類:チャペルヒルコンセンサス会議 9
(CHCC2012)

図_血管炎の分類:チャペルヒルコンセンサス会議(CHCC2012)

転載許諾を取得済み

  1. Churg J, Strauss L:Am J Pathol 1951;27(2), 277-301
  2. 有村義宏:日本臨牀 2018;76(suppl. 6), 7-17
  3. AI-Abound NM:Our Dermatol Online. 2017;7(3), 366-368
  4. 駒形嘉紀:東京都医師会雑誌 2021;74(10), 1022-1025
  5. Jennette JC et al:Arthritis Rheum 2013;65(1), 1-11
  6. 駒形嘉紀:リウマチ科 2017;58(1), 40-45
  7. 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)編集:ANCA関連血管炎診療ガイドライン2023,p.87
  8. 谷口正実, 濱田祐斗:医学のあゆみ 2018;265(9), 832-837
  9. 日本循環器学会 他,厚生労働省 難治性疾患政策研究事業 難治性血管炎に関する調査研究班 編集:ダイジェスト版 血管炎症候群の診療ガイドライン(2017年改訂版),p.37