予後
●抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)関連血管炎の死亡率
全身性壊死性血管炎のタイプ別生存期間を検討した結果、死亡率は、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)が13.9%、顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis:MPA)が27.5%、結節性多発動脈炎(polyarteritis nodosa:PAN)が24.6%、多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA)が13.2%でした 1。
全身性壊死性血管炎のタイプ別の生存期間 1(海外データ)
●予後不良因子
FFS(Five Factor Score)は、EGPAおよびその他の全身性壊死性血管炎の患者の診断時予後を評価するために、1996年にデザインされました。FFSが低い患者は高い患者と比べて、予後が良いと考えられています。その後、2009年にGuillevinらは、MPA、EGPA、GPAの予後不良因子として、①年齢65歳以上、②心病変、③消化器病変、④腎不全(クレアチニン≧150μmol/Lと定義)、⑤耳鼻科症状(耳・鼻・咽喉頭)なしの5つを抽出しました(図)1。本報告では、疾患別にも予後不良因子が解析されており、EGPAにおいては心不全が5年死亡率と最も関連することが示されました(ハザード比2.8,p=0.02:Cox 比例ハザードモデル)1。
EGPAの予後を予測するFive Factor Score(2009 FFSのリバイス版)1