COPD疾患について
COPD治療中でこういった患者さんはいらっしゃいませんか?
1) COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2018第5版
2) Langsetmo l. et al. Am J Respir Crit Care Bed. 2008: 177: 396-401
患者さんが症状を自覚するときには、
すでにCOPD(疾患)は進行している可能性があります
COPDの進行の概念図3)
新規にCOPDと疑われた患者さんの49%がGOLD Stage Ⅱであったという報告があります1)
COPDの増悪は、生命予後や病状への悪影響があります
COPD増悪の影響4)
COPD増悪の経過期間と発現割合5) 【海外データ】
対象:
1990~2005年に、入院を必要とする重度増悪を初めて経験したCOPD患者73,106例(増悪経験時の年齢55歳以上)
方法:
カナダのケベック州の大規模ヘルスケアデータベースより対象コホートを抽出し、初回重度増悪発現時から17年間追跡を行い、増悪発現率や生存率を検討した。
COPD増悪頻度の生命予後に対する影響6)【海外データ】
増悪頻度別にみたCOPD患者の生存曲線
対象:
20pack-years※2超の喫煙歴を有し、臨床的に安定した男性COPD患者304例[試験登録時の平均年齢(±標準偏差):71±9歳]
方法:
カナダのケベック州の大規模ヘルスケアデータベースより対象コホートを抽出し、初回重度増悪発現時から17年間追跡を行い、増悪発現率や生存率を検討した。
リミテーション:
本研究は入院管理を必要とするCOPD急性増悪が予後に及ぼす影響をみたプロスペクティブ研究であり、重症でない増悪エピソードの予後への影響は明らかではない。また、未検討の予後変数がCOPD増悪や予後悪化と相互に作用する可能性がある。さらに、本研究においては横断的なデータ収集が困難であり、死亡率や将来のCOPD増悪と相互作用する可能性のある縦断的データは入手できなかった。COPD増悪による死亡率上昇に関連する病因機序を明らかにするために、さらなる研究が必要である。
※1 入院などを必要とする急激な症状の悪化
※2 1日1箱(20本)を20年間続けた状態
年間1回を超えるCOPD増悪が認められた患者さんにおいて
FEV1がベースラインから57.6mL低下しました
COPD増悪の頻度とFEV1変化量の関係7) 【海外データ】
対象:
10 pack-years※2以上の喫煙歴を有する中等症~重症の40~80歳のCOPD患者4,903例[気管支拡張薬投与前のFEV1値が予測値の60%未満かつFEV1/FVCが0.7以下であり、気道閉塞が非可逆性(気管支拡張薬投与30分後の可逆性が予測値の10%未満)]
方法:
ICSおよびLABAにより治療的介入が行われたTORCH試験に参加した被験者を対象に、COPD増悪(中等度~重度)の頻度別に、FEV1値を指標として呼吸機能の変化を検討した。
※1
中等度~重度のCOPD増悪:全身性ステロイド薬または抗菌薬あるいは入院を必要とする呼吸器症状の悪化
※2
10 pack-years:1日1箱(20本)の喫煙を10年間続けた状態
概要
※1 中等度の増悪:
COPD(国際疾病分類第10版 J42、J43、およびJ44)、COPD増悪(J44.1)、急性下気道感染症(J44.0)または慢性呼吸不全(J96.1)のいずれかの外来診断記録があり、診断と同じ暦月に全身性ステロイド薬(経口ステロイド薬を含む)および抗生物質の外来処方記録があると定義
重度の増悪:
COPD、COPD増悪、急性下気道感染症、または慢性呼吸不全のいずれかの入院診断記録、ならびに全身性ステロイド薬および抗生物質の入院処方記録があること。ただし、全身性ステロイド薬および抗生物質の処方は、同日または1日以内、かつ入院から1日以内に行われるべきと定義
※2 MITT:
ltiple inhaler triple therapy 複数吸入器による3剤併用療法。3剤併用療法を形成する2種類の異なる吸入器(ICS/LABA+LAMAまたはLABA/LAMA+ICS)、あるいは3種類の異なる吸入器(ICS+LAMA+LABA)の併用
※3 SITT:
Single inhaler triple therapy 単一吸入器による3剤併用療法。FF/UMEC/VIまたはBUD/GLY/FORのいずれかの単一デバイス吸入器の処方
FF:フルチカゾンフランカルボン酸エステル、UMEC:ウメクリジニウム、VI:ビランテロール、BUD:ブデソニド、GLY:グリコピロニウム、FOR:ホルモテロール、BMI:Body Mass Index、ICS:吸入ステロイド薬、LABA:長時間作用性β2刺激薬、LAMA:長時間作用性抗コリン薬
試験デザイン
リミテーション
MDV:メディカルデータビジョン株式会社、ICS:吸入ステロイド薬、LABA:長時間作用性β2刺激薬、LAMA:長時間作用性抗コリン薬、BMI:Body Mass Index
患者背景
合計1,012例の患者が対象となった:平均年齢 71.04歳、男性の割合 70.45%
- 975例(96.3%)がMITT※1を開始し、37例(3.7%)がSITT※2を開始した。
- 273例(27.0%)が0日目に3剤併用療法を開始した。
- 610例(60.3%)が3剤併用療法の早期開始群であり、402例(39.7%)が遅延開始群であった。
※1 MITT:
Multiple inhaler triple therapy 複数吸入器による3剤併用療法。3剤併用療法を形成する2種類の異なる吸入器(ICS/LABA+LAMAまたはLABA/LAMA+ICS)、あるいは3種類の異なる吸入器(ICS+LAMA+LABA)の併用
※2 MITT:
Single inhaler triple therapy 単一吸入器による3剤併用療法。FF/UMEC/VIまたはBUD/GLY/FORのいずれかの単一デバイス吸入器の処方
※3:
インデックス日から0~30日以内に3剤併用療法を開始
※4:
インデックス日から31~180日以内に3剤併用療法を開始
※5:
イ特定の診断コード(ICD-10)に基づいて計算され、各疾患について公表されている重みを用いてスコア化した。
※6:
MDVデータベースには多数のがん治療施設(2017年12月現在:187施設)が含まれており、これが観察されたがんの有病率の高さの原因となっている可能性がある。
※7:
インデックス日前の24ヵ月間に記録された喘息の医学的診断(関連するICD-10コードによる)に基づいて「喘息なし」「喘息あり」を定義した。
BMI:Body Mass Index、ICS:吸入ステロイド薬、LABA:長時間作用性β2刺激薬、LAMA:長時間作用性抗コリン薬、FF:フルチカゾンフランカルボン酸エステル、UMEC:ウメクリジニウム、VI:ビランテロール、BUD:ブデソニド、GLY:グリコピロニウム、FOR:ホルモテロール、MDV:メディカルデータビジョン株式会社
日本人のCOPD患者の中等度/重度増悪後の患者において、
3剤併用療法の早期開始群と遅延開始群で、3剤併用療法開始後の
中等度/重度の増悪率に有意差は認められませんでした
インデックス日後の中等度/重度の増悪率※1
(遅延開始群※2に対する早期開始群※3における確率比)【主要評価項目】
※1 エピソード数を観察人・年で割った値として算出した。
※2 インデックス日から31~180日以内に3剤併用療法を開始
※3 インデックス日から0~30日以内に3剤併用療法を開始
負の二項回帰から得られた非加重および加重(IPTW後)確率比(RR)を用いて早期開始群と遅延開始群で比較した。
早期開始群が遅延開始群に比べて
3剤併用療法開始後の中等度/重度の初回増悪までの時間を延長しました
インデックス日後の初回の中等度/重度の増悪までの期間
(遅延開始群※1に対する早期開始群※2におけるハザード比)【副次評価項目】
※1 インデックス日から31~180日以内に3剤併用療法を開始
※2 インデックス日から0~30日以内に3剤併用療法を開始
Kaplan-Meier生存分析で評価し、非加重および加重(IPTW後)Cox比例ハザード回帰モデルを用いて早期開始群と遅延開始群で比較した。
早期開始群または遅延開始群における3剤併用療法開始後の全原因/COPD関連初回再入院までの期間は下記の通りでした
早期開始群※1または遅延開始群※2におけるインデックス日後の初回再入院までの期間【副次評価項目】
※1 インデックス日から0~30日以内に3剤併用療法を開始
※2 インデックス日から31~180日以内に3剤併用療法を開始
Kaplan-Meier生存分析で評価し、非加重および加重(IPTW後)Cox比例ハザード回帰モデルを用いて早期開始群と遅延開始群で比較した。
また、遅延開始群と比べて早期開始群では年間の総医療費が有意に低いことが示されました(p=0.0203、加重(IPTW後)一般化線形モデル)
早期開始群※1または遅延開始群※2の全原因による年間医療費※3(加重)【副次評価項目】
※1
インデックス日から0~30日以内に3剤併用療法を開始
※2
インデックス日から31~180日以内に3剤併用療法を開始
※3
追跡期間中に発生した費用を観察人・年で割ることにより、1人当たりの年間医療費を算出し、日本の消費者物価指数を用いて月ごとに2021年3月時点のレートで日本円に換算した。対数リンクとガンマ分布を用いた非加重および加重(IPTW後)一般化線形モデルからの推定値を用いて早期開始群と遅延開始群で比較した。
患者さんご自身が医師の指導の下、増悪の可能性をチェックできるツールが開発されました
方法:
2019年2月から2020年10月に、過去12カ月以内の増悪既往歴を有する40歳以上のCOPDまたは喘息・COPD合併患者を対象に行った国内多施設共同研究。3つのパートで検討し、Part1(41例)でCOPD増悪発症時の症状の特徴を説明するためによく使う単語やフレーズを引き出し、Part2(9例)で個別インタビューにより認知のデブリーフィングを行い、 Part3(100例)でCERT-Jの項目選択のための調査結果を基に異なる項目を組み合わせた5つの候補バージョンを作成した。専門家委員会により5つの候補バージョンが検討され、3項目が陽性であることを要件とした場合、感度(91.8%)と特異度(56.3%)の組み合わせが良好であった、6項目バージョン[息苦しさと活動制限(3項目)、咳(1項目)、痰(2項目)]が採用された。
©2023 GSK group of companies
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2018第5版
- Langsetmo l. et al. Am J Respir Crit Care Med. 2008: 177: 396-401
- Decramer M, Cooper CB:Thorax 2010;65(9), 837-841(一部改変)
- Qureshi H. Ther Adv Chronic Dis 2014;5(5):212–227より改変
- Suissa S et al: Thorax 2012; 67(11), 957-963
- Soler-Cataluña JJ et al: Thorax 2005; 60(11), 925-931
- Celli BR et al: Am J Respir Crit Care Med 2008; 178(4), 332-338より作図
利益相反:本試験に関わる費用は、GSKの支援を受けた。著者には、GSKの顧問、株主、社員が含まれる。 - Czira A et al: Int J Chron Obstruct Pulmon Dis 2023; 18, 2933-2953
利益相反:本試験に関わる費用は、GSKが負担した。著者には、GSKが研究費を支払った者、GSKの社員・株主が含まれる。 - Jones P et al: COPD 2023; 20(1), 216-223
利益相反:本研究はGSKから資金提供を受けた。著者には、GSKの社員・株主が含まれる。
クイックリンク
臨床成績
国際共同第Ⅲ相試験(IMPACT試験)、海外第Ⅲ相試験(FULFIL試験)の結果をご紹介します。
関連情報
COPD疾患と吸気流速についてご紹介します。
ガイドライン
COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第6版とGOLD 2023についてご紹介します。
デバイス
吸入器エリプタに関するデータや吸入方法をご紹介します。
よくあるご質問
テリルジーに関して、お問い合わせの多いご質問にお答えします。
製品名はすべて、グラクソ・スミスクライン、そのライセンサー、提携パートナーの登録商標です。
製剤写真及びPDF資料は、患者指導の目的に限りダウンロード頂けます。
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