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臨床成績(EGPA)

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症

国際共同第III相試験

メポリズマブ凍結乾燥注射剤100mg(本邦販売中止)を用いた臨床成績ですが、承認時評価資料のため掲載しています。

MEA115921試験(MIRRA試験)
寛解を指標とした試験(日本人を含む海外データ)(検証試験)
[ヌーカラ皮下注用100mg(EGPA)承認時評価資料:MEA115921試験]
[Wechsler ME et al:N Engl J Med 2017;376(20),1921-1932]

利益相反:

著者にグラクソ・スミスクライン(株)の社員4名が含まれた。また、本試験に関わる費用はグラクソ・スミスクライン(株)が負担した。

(1)試験概要

目的
再燃または難治性の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)患者を対象に、ヌーカラ300mg+標準的治療※1併用のプラセボ+標準的治療※1併用に対する優越性を検証し、安全性を検討した。

対象
標準的治療※1 (経口ステロイド薬の減量およびステロイド離脱療法を含む)を受けている再燃または難治性のEGPA患者136例(日本人6例を含む)

  • 試験開始時(Visit1)の6ヵ月以上前にEGPAと診断された18歳以上の患者
    喘息および好酸球増多(1.0✕109/L超および/または白血球分画で10%超)があり、かつ以下のEGPAの特徴に2つ以上該当する患者
  • 生検により好酸球性血管炎、血管周囲の好酸球浸潤または好酸球に富む肉芽腫性炎症のいずれかの病理組織学的所見を示す。
  • 単神経障害または多発神経炎
  • 肺浸潤(非固定性)
  • 副鼻腔の異常所見
  • 心筋症(心エコー検査またはMRI により確定されるもの)
  • 糸球体腎炎(血尿、赤血球円柱、蛋白尿)
  • 肺胞出血(気管支肺胞洗浄検査による)
  • 触知可能な紫斑病
  • 抗好中球細胞質抗体(ANCA)[抗好中球細胞質ミエロペルオキシダーゼ抗体(ANCA-MPO)または抗好中球細胞質抗体プロテイナーゼ3(ANCA-PR3)]陽性
  • 再燃または難治性のEGPA既往

再燃:

過去2年以内かつスクリーニングの12週間以上前に、経口ステロイド薬(プレドニゾロン/prednisone換算、以下同)7.5mg/日以上の投与下で1回以上のEGPA再燃(経口ステロイド薬の増量、ステロイド薬の静脈内投与の開始※2 、免疫抑制療法※3の開始/増量、免疫グロブリンの静脈内投与の開始/増量※2または入院)の既往がある患者

難治性:

試験開始前6ヵ月以内に標準的治療による寛解導入療法を3ヵ月以上施行した後、寛解[バーミンガム血管炎活動性スコア(BVAS) ※4が0、かつ経口ステロイド薬7.5mg/日以下の状態]が得られなかった患者または、スクリーニング前6ヵ月以内の経口ステロイド薬漸減期間中、経口ステロイド薬7.5mg/日以上の用量で、EGPA症状が再燃した患者

※1 

一定用量の経口ステロイド療法(単独または一定用量の免疫抑制療法 ※3との併用) ※5

※2 

日本特有の再燃の定義

※3

シクロホスファミドを除く

※4 

血管炎の主要症候に基づいて設定された9項目(全身症状、皮膚病変、粘膜/眼病変、耳鼻咽喉部病変、胸部病変、心血管病変、腹部病変、腎病変、神経病変)の臨床徴候を点数化し、活動性を評価する指標[Mukhtyar C et al:Ann Rheum Dis 2009;68(12), 1827-1832]。

※5

本邦で承認されているプレドニゾロン錠の用量は1日5~60mg」です。

方法

無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設共同試験。
ヌーカラ300mg群とプラセボ群(各群標準的治療併用)に無作為に割り付け、4週間ごとに計13回皮下投与した。
試験薬の最終投与は48週時であり、8週間の後観察後、60週時に試験を終了した。

4. 効能又は効果(抜粋)
100mgペン、100mgシリンジ

〇既存治療で効果不十分な好酸球性多発血管炎性肉芽腫症

5. 効能又は効果に関連する注意(抜粋)
〈2. 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〉

5.4 過去の治療において、全身性ステロイド薬による適切な治療を行っても、効果不十分な場合に、本剤を上乗せして投与を開始すること。

6.用法及び用量(抜粋)
100mgペン、100mgシリンジ
〈好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〉
通常、成人にはメポリズマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを4週間ごとに皮下に注射する。

試験デザイン

試験デザイン

評価項目

有効性評価項目
本試験での寛解の定義は以下を採用した。

寛解の定義1:BVASが0、かつ経口ステロイド薬の用量4.0mg/日以下
寛解の定義2:BVASが0、かつ経口ステロイド薬の用量7.5mg/日以下

〈主要評価項目〉

  1. 累積寛解維持期間※1[寛解の定義1][検証的解析]
  2. 試験薬投与36および48週の両時点において寛解状態にある患者の割合[寛解の定義1][検証的解析]

〈副次評価項目〉

  • EGPAの再燃が最初に確認されるまでの期間
  • 試験薬投与期間の最後の4週間(48~52週)における経口ステロイド薬の平均1日投与量区分別※2患者の割合
  • 試験薬投与24週以内に寛解を達成し、かつ残りの試験薬投与期間中に寛解が維持された患者の割合[寛解の定義1]
  • 累積寛解維持期間※1[寛解の定義2]
  • 試験薬投与36および48週の両時点において寛解状態にある患者の割合[寛解の定義2]
  • 試験薬投与24週以内に寛解を達成し、かつ残りの試験薬投与期間中に寛解が維持された患者の割合[寛解の定義2]

〈その他の評価項目〉

  • 寛解維持期間※3 [寛解の定義1、2]
  • EGPA再燃の頻度(EGPA年間再燃率、症状別のEGPA再燃の頻度)
  • EGPAの重症再燃が最初に確認されるまでの期間
  • 52週間における経口ステロイド薬の1日投与量
  • 試験薬投与期間の最後の4週間(48~52週)における経口ステロイド薬の平均1日投与量の減量区分別※4患者の割合
  • BVASのベースラインからの変化量
  • 血管炎障害指標(VDI)のベースラインからの変化量 
  • 試験薬投与期間の最後の4週間(48~52週)におけるACQ-6スコアのベースラインからの変化量およびACQ-6スコア(変化量)の推移 
  • 肺機能検査(FEV1およびFVC)のベースラインからの変化量 
  • 副鼻腔評価テスト-22質問票(SNOT-22)スコアのベースラインからの変化量

 

安全性評価項目

  • 全身性反応(アレルギー/非アレルギー)および局所性注射部位反応を含む有害事象および副作用、臨床検査値、バイタルサイン、12誘導心電図

ヘルスアウトカムズ

  • 包括的健康関連QOL尺度(SF-36)/仕事の生産性および活動障害に関する質問票(WPAI)のベースラインからの変化、医療資源の利用状況

薬物動態/薬力学評価項目

  • メポリズマブの血漿中濃度、血中好酸球数の推移、遊離型および総IL-5の血清中濃度

バイオマーカー

  • FeNO/C反応性タンパク質(CRP)/赤血球沈降速度(ESR)のベースラインからの変化、ANCA(MPOおよびPR3)の状態

※1 

52週間の試験薬投与期間のうち寛解状態にあった週数の累積期間

※2 

0mg/0mg超4.0mg以下/4.0mg超7.5mg以下/7.5mg超

※3 

52週間の試験薬投与期間のうち中断なく寛解の状態にあった最長期間(週数)

※4 

ベースラインと比較した減量率:減量なしまたは投与中止/25%未満/25%以上50%未満/50%以上75%未満/75%以上100%未満/100%

解析計画

無作為割り付けされ、試験薬が1回以上投与された患者で構成される集団(ITT集団)を解析対象とした。有意水準は両側5%とした。第1種の過誤の全体に対する強力な制御を維持するため、副次評価項目を主要評価項目の下にネストし、閉検定手順を用いて多重性の調整を行った。さらに副次評価項目は階層法を用いた。

有効性の統計学的仮説検定の階層構造

有効性の主要評価項目1は、順序カテゴリカルデータに対して、比例オッズ回帰モデルを用いた。主要評価項目2は、ロジスティック回帰モデルを用いた。両モデルでは、ベースライン時の経口ステロイド薬の平均1日用量、BVAS、治療群および地域をベースラインの共変量として含めた。本試験はプラセボ群に対するヌーカラ300mg群の優越性を検証している。帰無仮説は2群の主要評価項目に差がみられないことであり、帰無仮説の棄却は2群間のオッズ比が1ではないこととした。
なお、主要評価項目について、部分集団(地域、年齢、性別、人種、ベースラインの免疫抑制剤使用有無、EGPAの罹患期間、ベースラインの血中好酸球数、ベースラインのVDIスコア)における寛解についてはサブグループ解析を実施することを事前に規定した。試験中止により寛解データが欠測となった患者は、試験中止日以降、寛解していないとして補完した。

累積寛解維持期間(主要評価項目・副次評価項目)に関連して、寛解を達成した患者の割合の推移を解析した。
以下のPost-hoc解析については、承認申請時の照会事項への回答として当局に提出し評価されたデータである。BVASが0の維持期間別の患者の割合、経口ステロイド薬の用量が4.0mg/日以下の維持期間別の患者の割合、部分集団(ベースラインのBVAS、ベースラインの経口ステロイド薬の用量、体重)における寛解、寛解の定義に基づき臨床的ベネフィット(寛解、48~52週において経口ステロイド薬50%以上減量、再燃なし)およびいずれかのベネフィットを得た患者の割合


患者背景(ITT集団)

項目 プラセボ群
(n=68)
ヌーカラ300mg群
(n=68)
年齢、歳ᵃ⁾

48±14

49±12

男性、n(%)

30(44)

26(38)

ANCA陽性※1、n(%)

6(9)

7(10)

好酸球絶対数、cells/μLᵇ⁾

172±1.352

177±1.289

BVAS>0、n(%)※2

48(71)

37(54)

経口ステロイド薬投与量、mg/日ᶜ⁾

11.0[7.5–50.0]

12.0 [7.5–40.0]

ベースライン時の免疫抑制剤
使用状況、n(%)

31(46)

41(60)
EGPA診断の疾患特性、n(%)
好酸球性喘息
生検所見※³
神経障害※⁴
非固定性肺浸潤
副鼻腔の異常所見
心筋症※⁵
糸球体腎炎
肺胞出血
触知可能な紫斑病
ANCA陽性
68(100)
31 (46)
24 (35)
48 (71)
64 (94)
7(10)
0
1 (1)
8(12)
13 (19)
68 (100)
25 (37)
32 (47)
50 (74)
64 (94)
13 (19)
1(1)
3(4)
9(13)
13(19)
再発性疾患(過去2年以内に
1回以上の再発)、n(%)
 

49(72)

51(75)

難治性疾患、n(%)

40(59)

34(50)

EGPA罹患歴、年ᵃ⁾

5.9±4.9

5.2±4.4

診断後に免疫抑制剤使用歴
有り、n(%)

49(72)

56(82)

 
 

※1 

Covance laboratoryで行われる免疫測定法によって評価されたANCA-MPOもしくはANCA-PR3陽性

※2

0~63のスコアで評価され、スコアが高くなるほどより高い疾患活動性を示す

※3 

好酸球性血管炎の組織病理所見、血管周囲の好酸球浸潤または好酸球に富む肉芽腫性炎症を示している生検標本として定義された

※4 

単神経障害または多発神経炎と定義された(運動障害または神経伝導異常)

※5 

心エコー検査またはMRIによって確定された

a)

平均値±標準偏差

b)

幾何平均値± standard deviation logs

c)

中央値[範囲]

(2)有効性(日本人を含む海外データ)

有効性の解析結果

2)寛解

寛解の定義1:BVASが0、かつ経口ステロイド薬の用量4.0mg/日以下

①累積寛解維持期間(主要評価項目))[検証的解析結果]および寛解達成患者の割合の推移

52週間における累積寛解維持期間は、ヌーカラ300mg群でプラセボ群より有意に長く、プラセボ群に対するヌーカラ300mg群の優越性が検証されました(p<0.001、比例オッズ回帰モデル注))。
52週間の試験薬投与期間のうち寛解状態にあった週数の累積期間

累積寛解維持期間別の患者の割合(ITT集団)

累積寛解維持期間別の患者の割合

注)

ベースライン時の経口ステロイド薬の平均1日用量、BVAS、治療群および地域を共変量とした比例オッズ回帰モデル

寛解達成した患者の割合の推移( ITT集団)

NA

寛解の定義1:BVASが0、かつ経口ステロイド薬の用量4.0mg/日以下

② 試験薬投与36および48週の両時点において寛解状態にある患者の割合(主要評価項目)[ 検証的解析結果]

試験薬投与36および48週の両時点において寛解状態にある患者の割合は、ヌーカラ300mg群32%、プラセボ群3%であり、プラセボ群に対するヌーカラ300mg群の優越性が検証されました(p<0.001、ロジスティック回帰モデル注))。

試験薬投与36および48週の両時点において寛解状態にある患者の割合(ITT集団)

NA

注)ベースライン時の経口ステロイド薬の平均1日用量、BVAS、治療群および地域を共変量としたロジスティック回帰モデル

寛解の定義1:BVASが0、かつ経口ステロイド薬の用量4.0mg/日以下

③ 試験薬投与24週以内に寛解を達成し、かつ残りの試験薬投与期間中に寛解が維持された患者の割合(副次評価項目)

試験薬投与24週以内に寛解を達成し、かつ残りの試験薬投与期間中に寛解が維持された患者の割合は、ヌーカラ300mg群19%、プラセボ群1%であり、有意な差を示しました(p=0.007、ロジスティック回帰モデル注))。

試験薬投与24週以内に寛解を達成し、かつ残りの試験薬投与期間中に寛解が維持された患者の割合(ITT集団)

試験薬投与24週以内に寛解を達成し、かつ残りの試験薬投与期間中に寛解が維持された患者の割合

注)

ベースライン時の経口ステロイド薬の平均1日用量、BVAS、治療群および地域を共変量としたロジスティック回帰モデル

試験薬投与24週以内に寛解を達成し、かつ残りの試験薬投与期間中に寛解が維持された患者の割合

寛解の定義2:BVASが0、かつ経口ステロイド薬の用量7.5mg/日以下

④累積寛解維持期間(副次評価項目)および寛解達成患者の割合の推移

52週間における累積寛解維持期間は、ヌーカラ300mg群でプラセボ群より有意に長く(p<0.001、比例オッズ回帰モデル注))、各分類に該当する患者の割合は以下のとおりであった。

※ 52週間の試験薬投与期間のうち寛解状態にあった週数の累積期間

累積寛解維持期間別の患者の割合(ITT集団)

累積寛解維持期間別の患者の割合

注)

ベースライン時の経口ステロイド薬の平均1日用量、BVAS、治療群および地域を共変量とした比例オッズ回帰モデル

寛解達成患者の割合の推移(ITT集団)

NA

寛解の定義2:BVASが0、かつ経口ステロイド薬の用量7.5mg/日以下

⑤試験薬投与36および48週の両時点において寛解状態にある患者の割合(副次評価項目)

試験薬投与36および48週の両時点において寛解状態にある患者の割合は、ヌーカラ300mg群41%、プラセボ群10%であり、有意な差を示しました(p<0.001、ロジスティック回帰モデル注))。

試験薬投与36および48週の両時点において寛解状態にある患者の割合(ITT集団)

NA

注)

ベースライン時の経口ステロイド薬の平均1日用量、BVAS、治療群および地域を共変量としたロジスティック回帰モデル

寛解の定義2:BVASが0、かつ経口ステロイド薬の用量7.5mg/日以下

⑥試験薬投与24週以内に寛解を達成し、かつ残りの試験薬投与期間中に寛解が維持された患者の割合(副次評価項目)

試験薬投与24週以内に寛解を達成し、かつ残りの試験薬投与期間中に寛解が維持された患者の割合は、ヌーカラ300mg群24%、プラセボ群3%であり、有意な差を示しました(p=0.003、ロジスティック回帰モデル注))。

試験薬投与24週以内に寛解を達成し、かつ残りの試験薬投与期間中に寛解が維持された患者の割合(ITT集団)

試験薬投与24週以内に寛解を達成し、かつ残りの試験薬投与期間中に寛解が維持された患者の割合

注)

ベースライン時の経口ステロイド薬の平均1日用量、BVAS、治療群および地域を共変量としたロジスティック回帰モデル

試験薬投与24週以内に寛解を達成し、かつ残りの試験薬投与期間中に寛解が維持された患者の割合

3)経口ステロイド薬の減量効果

①試験薬投与期間の最後の4週間(48~52週)における経口ステロイド薬の平均1日投与量区分別患者の割合(副次評価項目)

試験薬投与期間の最後の4週間(48~52週)における経口ステロイド薬の平均1日投与量は、ヌーカラ300mg群がプラセボ群に対し有意に少なくなりました(p<0.001、比例オッズ回帰モデル注))。経口ステロイド薬投与中止(0mg)となった患者はヌーカラ300mg群18%、プラセボ群3%でした。

※ 0mg/0mg超4.0mg以下/4.0mg超7.5mg以下/7.5mg超

試験薬投与期間の最後の4週間(48~52週)における経口ステロイド薬の平均1日投与量区分別患者の割合(ITT集団)

試験薬投与期間の最後の4週間(48~52週)における経口ステロイド薬の平均1日投与量区分別※患者の割合

注)

ベースライン時の経口ステロイド薬の平均1日用量、BVAS、治療群および地域を共変量とした比例オッズ回帰モデル

試験薬投与期間の最後の4週間(48~52週)における経口ステロイド薬の平均1日投与量別の患者の割合(ITT集団)

NA

②52週間における経口ステロイド薬の1日投与量(その他の評価項目)

ベースラインにおける経口ステロイド薬の投与量(中央値)は、ヌーカラ300mg群12mg/日、プラセボ群
11mg/日でした。52週間における経口ステロイド薬の平均1日投与量(中央値)は、ヌーカラ300mg
群7.71mg/日、プラセボ群11.33mg/日でした(4週時までは一定用量の経口ステロイド薬を使用)。

経口ステロイド薬の1日あたりの投与量の推移(ITT集団)

EGPAの再燃が最初に確認されるまでの期間のKaplan-Meier曲線

③試験薬投与期間の最後の4週間(48~52週)における経口ステロイド薬の平均1日投与量の減量区分別患者の割合(その他の評価項目)

試験薬投与期間の最後の4週間(48~52週)における経口ステロイド薬の平均1日投与量のベースラインからの減量の割合は、ヌーカラ300mg群がプラセボ群に対し有意に多くなりました(プラセボ群に対するオッズ比4.32、95%信頼区間[2.28, 8.19]、p<0.001注1)、比例オッズ回帰モデル注2))。
経口ステロイド薬を100%減量することができた患者は、ヌーカラ300mg群では12例(18%)、プラセボ群では1例(1%)でした。

 

※ ベースライン時と比較した減量率:

減量なしまたは投与中止/25%未満/25%以上50%未満/50%以上75%未満/75%以上100%未満/100%

注1)

名目上のp値

注2)

ベースライン時の経口ステロイド薬の平均1日用量、BVAS、治療群および地域を共変量とした比例オッズ回帰モデル

試験薬投与期間の最後の4週間(48~52週)における経口ステロイド薬の平均1日投与量のベースラインからの減量率別患者の割合(ITT集団)

NA

4)再燃抑制

①EGPAの再燃が最初に確認されるまでの期間(副次評価項目)

52週間において、EGPAの再燃が最初に確認されるまでの期間は、ヌーカラ300mg群がプラセボ群に対し有意に長くなりました(プラセボ群に対するハザード比0.322、Cox比例ハザードモデル注1)、95%信頼区間[0.206, 0.502]、p<0.001、χ2検定)。

EGPAの再燃が最初に確認されるまでの期間のKaplan-Meier曲線(ITT集団)

EGPAの再燃が最初に確認されるまでの期間のKaplan-Meier曲線

注1)

ベースライン時の経口ステロイド薬の平均1日用量、BVAS、治療群および地域を共変量としたCox比例ハザードモデル

注2)

χ2検定

※ 再燃の定義
EGPA再燃とは、前回来院以降に、以下のいずれかの特徴を示す活動性疾患の増悪がみられた場合と定義した。

a.

活動性血管炎(BVASが0超)

b.

ACQ-6スコアの悪化(直近のスコアとの比較)を伴う活動性を示す喘息症状および/または徴候

c.

副鼻腔症状の質問票において1つ以上の悪化(直近の評価との比較)を伴う活動性の鼻疾患および/または副鼻腔疾患

上記の活動性疾患の増悪または持続(a.~c.)については、以下のいずれか1つ以上を満たす。
  • 経口ステロイド薬療法(または他の全身性ステロイド療法)の経口ステロイド薬 1日総投与量4.0mg/日超(または同等量)
  • 免疫抑制剤(シクロホスファミドを除く)の増量または追加
  • EGPAの悪化に関連する入院

②EGPA再燃の頻度(EGPA年間再燃率、症状別のEGPA再燃の頻度)(その他の評価項目)

a) EGPA年間再燃率

EGPAの年間再燃率は、ヌーカラ300mg群1.14回/患者年、プラセボ群2.27回/患者年であり、ヌーカラ300mg群では年間再燃率がプラセボ群と比較して50%優位に減少しました(p<0.001注1)、負の2項回帰モデル注2))。

EGPA年間再燃率(ITT集団)

EGPA年間再燃率

注1)

名目上のp値

注2)

ベースライン時の経口ステロイド薬の平均1日用量、BVAS、治療群および地域を共変量とし、オフセット変数として治療期間の対数とした負の2項回帰モデル

注3)

ヌーカラ300mg群/プラセボ群

b) 症状別のEGPA再燃の頻度

試験責任医師が分類した再燃の各症状(血管炎、副鼻腔、喘息)別のEGPA再燃の頻度は以下のとおりでした。

症状別のEGPA再燃の頻度(ITT集団)

症状別のEGPA再燃の頻度

③EGPAの重症再燃が最初に確認されるまでの期間(その他の評価項目)

52週間において、EGPAの重症再燃が最初に確認されるまでの期間は、ヌーカラ300mg群がプラセボ群に対し有意な差を示しました(プラセボ群に対するハザード比0.505、Cox比例ハザードモデル注1)、95%信頼区間[0.262, 0.976]、p=0.042注2)、χ2検定)。

EGPAの重症再燃が最初に確認されるまでの期間のKaplan-Meier曲線(ITT集団)

EGPAの重症再燃が最初に確認されるまでの期間のKaplan-Meier曲線

注1)

名目上のp値

注2)

ベースライン時の経口ステロイド薬の平均1日用量、BVAS、治療群および地域を共変量としたCox比例ハザードモデル

注3)

χ2検定

※ 重症再燃の定義

  • 臓器を脅かすまたは生命を脅かすEGPA症状発現、または
  • BVASスコアが6以上[全身症状のいずれか(筋肉痛、関節痛/関節炎、38℃超の発熱、2kg超の体重減少)が認められる場合には、これらに加えて2つ以上の臓器系の症状を含むこと]、または
  • 入院を必要とする喘息の再燃、または
  • 入院を必要とする副鼻腔の再燃

(3)本試験における安全性(日本人を含む海外データ)

副作用の発現率は、ヌーカラ300mg群51%(35/68例)、プラセボ群35%(24/68例)でした。
死亡以外の重篤な副作用は各投与群で3例、計6例で報告され、ヌーカラ300mg群で尿路感染、腹痛および過敏症の各1例、プラセボ群で下気道感染、肺炎および精巣癌が各1例に認められました。試験薬の投与中止または試験中止に至った重篤な有害事象はヌーカラ300mg群で死亡に至った心停止、死亡以外の過敏症、プラセボ群で肺炎が各1例報告されました。

副作用発現状況

プラセボ群

ヌーカラ300mg群
(皮下投与)
評価対象例数 68 68
副作用発現例数 24 35
副作用発現率(%) 35 51
一般・全身障害および投与部位の状態
注射部位反応 5(7%) 7(10%)
無力症 2(3%) 4(6%)
疲労 2(3%) 1(1%)
注射部位疼痛 1(1%) 2(3%)
注射部位紅斑 1(1%) 1(1%)
熱感 0 1(1%)
倦怠感 0 1(1%)
発熱 1(1%) 0
感染症および寄生虫症
気道感染 0 4(6%)
上気道感染 1(1%) 3(4%)
口腔ヘルペス 1(1%) 2(3%)
副鼻腔炎 2(3%) 1(1%)
帯状疱疹 1(1%) 1(1%)
感染 1(1%) 1(1%)
尿路感染 0 2(3%)
歯槽骨炎 1(1%) 0
蜂巣炎 1(1%) 0
結膜炎 1(1%) 0
耳感染 1(1%) 0
皮膚真菌感染 1(1%) 0
消化管感染 1(1%) 0
下気道感染 1(1%) 0
中耳炎 1(1%) 0
肺炎 1(1%) 0
細菌性気道感染 1(1%) 0
外陰腟真菌感染 0 1(1%)
胃腸障害
悪心 3(4%) 3(4%)
上腹部痛 2(3%) 1(1%)
腹痛 0 1(1%)
消化不良 0 1(1%)
嘔吐 1(1%) 0
神経系障害
頭痛 1(1%) 5(7%)
浮動性めまい 1(1%) 0
味覚異常 1(1%) 0
顔面麻痺 1(1%) 0
片頭痛 0 1(1%)
皮膚および皮下組織障害
脱毛症 0 1(1%)
間擦疹 1(1%) 0
光線過敏性反応 1(1%) 0
そう痒症 0 1(1%)
発疹 0 1(1%)
そう痒性皮疹 0 1(1%)
皮膚病変 0 1(1%)
顔面腫脹 1(1%) 0
蕁麻疹 0 1(1%)
筋骨格系および結合組織障害
筋肉痛 1(1%) 1(1%)
四肢痛 2(3%) 0
関節痛 1(1%) 0
関節炎 0 1(1%)
関節硬直 0 1(1%)
筋肉疲労 1(1%) 0
変形性関節症 0 1(1%)
臨床検査
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 0 1(1%)
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 0 1(1%)
血中カルシウム増加 1(1%) 0
血中クレアチンホスホキナーゼ増加 0 1(1%)
γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 0 1(1%)
体重増加 0 1(1%)
眼障害
眼瞼炎 1(1%) 0
眼部腫脹 1(1%) 0
霧視 1(1%) 0
血管障害
高血圧 1(1%) 1(1%)
潮紅 0 1(1%)
免疫系障害
アレルギー性肉芽腫性血管炎 1(1%) 0
過敏症 0 1(1%)
呼吸器、胸郭および縦隔障害
喘息 0 1(1%)
鼻出血 1(1%) 0
耳および迷路障害
耳漏 1(1%) 0
内分泌障害
副腎機能不全 0 1(1%)
傷害、中毒および処置合併症
注射に伴う反応 0 1(1%)
良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポリープを含む)
精巣癌 1(1%) 0
精神障害
不眠症 0 1(1%)
腎および尿路障害
排尿困難 1(1%) 0

MedDRA Version 19.0/J Version 19.0

[承認時評価資料:MEA115921試験]
[Wechsler ME et al:N Engl J Med 2017;376(20), 1921-1932]

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高額療養費シミュレーション

高額療養費制度により、年齢や所得によって医療費の負担上限額が異なります。負担額がどの程度か試算できます

製品名はすべて、グラクソ・スミスクライン、そのライセンサー、提携パートナーの登録商標です。
製剤写真及びPDF資料は、患者指導の目的に限りダウンロード頂けます。

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