ここから先は外部サイトへ移動します

これからアクセスしようとしているウェブサイトの内容は、グラクソ・スミスクライン株式会社によって管理されているものではありません。その正確性、安全性、信頼性はグラクソ・スミスクライン株式会社が保証しているものではないことをご了承ください。

続ける

戻る

BLISS-NEA試験(第Ⅲ相国際共同検証試験) [1],[2]:試験概要

BLISS-NEA試験(第Ⅲ相国際共同検証試験):試験概要

目 的
既存の標準治療に加えてベンリスタ10 mg/kgを投与したときの有効性及び安全性をプラセボと比較する。有効性については、主要評価項目である52週時のSLE responder index(SRI)4のレスポンダー※1率において、プラセボに対するベンリスタ10mg/kgの優越性を検証する。

対 象
米国リウマチ学会(ACR)基準でSLEと臨床診断され、自己抗体陽性で疾患活動性を有し、既存の標準治療bを受けている18歳以上のSLE患者705例(日本人60例含む)

主な選択基準

  • 18歳以上
  • 米国リウマチ学会(ACR)基準でSLEと診断された患者
  • 自己抗体検査で2回の陽性判定/又は抗dsDNA抗体30IU/mL以上
  • 初回投与の30日以上前からSLE治療を単独又は併用で安定的に受けている患者c

主な除外基準
・重症ループス腎症又は急性ループス腎炎dを合併している患者(初回投与前90日以内)
・新たなSLE治療薬(ステロイドを除く)を投与された患者(60日以内)
・治療を要するCNSループスを合併している患者(60日以内)
・B細胞標的治療(時期問わず)、アバタセプト*1(1年以内)、シクロホスファミド静脈内投与(180日以内)、抗腫瘍壊死因子療法(抗TNF療法)*1、抗インターロイキン(IL)-6療法、IL-1受容体拮抗薬(anakinra*2)、免疫グロブリン静脈内投与*1、高用量ステロイド(プレドニゾロン*3100mg/日超又は同等薬剤)、血漿交換療法(以上いずれも90日以内)による治療を受けた患者
・生ワクチン(30日以内)を接種した患者

方 法
対象患者を無作為化eして既存治療+ベンリスタ群(ベンリスタ併用群、470例)又は既存治療+プラセボ群(プラセボ併用群、235例)に2:1で割り付け、既存の標準治療に上乗せして、二重盲検下でベンリスタ10mg/kg又はプラセボを初回、2週間後、4週間後、以降は4週間ごとに48週時まで静脈内投与し52週間観察した。

b:初回投与の30日以上前から次のSLE治療を安定的に受けている患者。ステロイド*3、抗マラリア薬*4、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)*1、免疫抑制薬・免疫調整薬*5
c:ステロイド(プレドニゾロン*3換算で、併用では0~40mg/日、単独では7.5~40mg/日)、抗マラリア薬*4、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)*1、免疫抑制薬・免疫調整薬(メトトレキサート*1、アザチオプリン、レフルノミド*1、ミコフェノール酸*1、ミゾリビン*1、カルシニューリン阻害薬*1、シロリムス*1、シクロホスファミド経口剤、6-メルカプトプリン*1、サリドマイド*1
d:随時尿蛋白/クレアチニン比で補正した蛋白尿>6g/24時間又は同等量、血清クレアチニン>2.5mg/dL、又は治験実施計画書で許容されていない急性期治療(シクロホスファミドの静脈内投与等)、血液透析又は大量ステロイド(100mg/日超のプレドニゾロン*3又は同等薬剤)を必要とする活動期腎炎を有した患者
e:無作為化時には層別因子として、スクリーニング時のSELENA SLEDAIスコア(≦9点 vs. ≧10点)、補体(C3及び/又はC4の低値 vs. それ以外)及び国を用いた。

*1:SLEに対しては本邦適応外
*2:本邦未承認
*3:本邦で承認されているプレドニゾロン錠の用量は1日5mg~60mg
*4:ヒドロキシクロロキン以外はSLEに対しては本邦適応外
*5:SLEに対する本邦適応外薬を含む

評価項目
主要評価項目(検証的な解析)… 52週時のSRI4レスポンダー率
副次評価項目… 52週時にSELENA SLEDAIスコアがベースラインから4点以上改善した患者の割合、初回の重度SLEフレア(SFIで定義)が発現するまでの時間 等
その他の評価項目… 抗dsDNA抗体のベースラインからの変化率(4週ごと)、52週時のSELENA SLEDAI免疫系の改善率(抗dsDNA抗体等ᵃ)、C3及びC4値のベースラインからの変化率(4週ごと)、初回のフレア(BILAG 1A/2Bで定義ᵇ)が発現するまでの時間、ステロイド1日投与量ᶜのベースラインからの変化量(4週ごと)、初回のフレア(BILAG 1A/2Bで定義ᵇ)累積発現率、52週時のSELENA SLEDAI臓器系別の改善率、52週時のBILAG臓器系別の改善率
  a:記載している症状は、ベースライン時に最も多くみられた項目
b:BILAGでカテゴリーAに悪化した臓器系が1つ以上、又はカテゴリーBに悪化した臓器系が2つ以上
c:プレドニゾロン*¹換算
*¹:本邦で承認されているプレドニゾロン錠の用量は1日5mg~60mg

解析計画

  • 無作為化された707例のうち治験薬の投与を受けなかった2例を除いた705例をSafety集団とし、中国の1施設で原資料及び疾患評価に問題があったため、Safety集団から当該施設の患者28例を除いた677例をMITT(Modified intention-to-treat)集団とした。特記のない限り、すべての安全性の解析はSafety集団を対象とし、すべての有効性の解析はMITT集団を対象とした。
  • 52週時の有効性の主要解析では、以下の患者をTreatment failureと判定しノンレスポンダーとして取り扱った。
    ①52週時(Day 364)来院より前に試験を中止した患者
    ②52週時来院の±28日以内に来院しなかった患者
    ③52週時来院より前に併用禁止薬の投与を受けた、又はSLE治療の規定を超えた変更を行った患者
  • 有効性の評価項目については、事前に規定した順序に基づく階層的な評価を行うこととし、以下の①、②、③の3つのファミリーに分けた。
    主要及び副次評価項目についての有意差検定(有意水準0.05)を行うにあたり、多重比較による第1種の過誤をコントロールするため、以下のファミリーの①、②、③の順に統計学的な有意性を解釈することとした(次のファミリーでの解釈に進む前に、前のファミリーでp値が0.05以下であることが必要)。
    ①主要評価項目︓52週時のSRI4レスポンダー率
    ②副次評価項目(疾患活動性の評価)︓52週時にSELENA SLEDAIスコアが4点以上改善した患者の割合 等
    ③副次評価項目(疾患コントロールの評価)︓ステロイド1日投与量が7.5mg/日以下に減少、及び/又はベースラインから50%以上減少した日数 等
  • 主要評価項目を支持するために、主要評価項目の3つの構成要素それぞれに該当した患者の割合を評価した。また、52週間のレスポンスの推移を評価するため、SRI4レスポンダー率を4週ごとに評価した。
  • 「52週時のSRI4レスポンダー率」は、投与群、ベースライン時のSELENA SLEDAIスコア(≦9点 vs. ≧10点)、補体(C3及び/又はC4の低値 vs. それ以外)、国を共変量としたロジスティック回帰分析により解析した。
  • 「抗dsDNA抗体のベースラインからの変化率」は、Wilcoxon検定により解析した。
  • 「C3及びC4値のベースラインからの変化率」は、投与群、ベースライン時のバイオマーカー値、SELENA SLEDAIスコア(≦9点 vs. ≧10点)、国を共変量としたANCOVAモデルにより解析した。
  • 抗dsDNA抗体についてはベースライン時に抗dsDNA抗体陽性を示した患者、補体についてはベースライン時に補体低値(C3又はC4)を示した患者に関するサブグループ解析を行うことが事前規定された。
  • 「初回のフレア(BILAG 1A/2Bで定義)が発現するまでの時間」及び「初回のフレア(BILAG 1A/2Bで定義)累積発現率」はベースライン時のSELENA SLEDAIスコア(≦9点 vs. ≧10点)、補体(C3及び/又はC4の低値 vs. それ以外)、国を共変量としたCox比例ハザードモデルにより解析した。
  • 「ステロイド1日投与量のベースラインからの変化量」は、投与群、ベースライン時のステロイド投与量、SELENA SLEDAIスコア(≦9点 vs. ≧10点)、補体(C3及び/又はC4の低値 vs. それ以外)、国を共変量としたANCOVAモデルにより解析した。
  • ステロイド1日投与量がベースライン7.5mg/日以下の患者を対象としてサブグループ解析を行うことが事前規定された。
  • 「52週時のSELENA SLEDAI免疫系(抗dsDNA抗体等)の改善率」、「52週時のSELENA SLEDAI臓器系別の改善率」及び「52週時のBILAG臓器系別の改善率」のベンリスタ併用群とプラセボ併用群の比較には、Fisherの直接確率検定を用いた。
  • ベースライン時のSELENA SLEDAI臓器系別スコア別のサブグループ解析を行うことが事前規定された。
  •  ベースライン時のBILAG臓器系別スコア別のサブグループ解析を行うことが事前規定された。

 

a︓プレドニゾロン*1換算
b︓C3<90 mg/dL、C4<10 mg/dL
c︓BILAGでカテゴリーAに悪化した臓器系が1つ以上、又はカテゴリーBに悪化した臓器系が2つ以上
d:記載している症状は、ベースライン時に最も多くみられた項目
*1: 本邦で承認されているプレドニゾロン錠の用量は1日5mg~60mg

患者背景

clinical studies safety img 01
clinical studies safety img 02

[1]承認時評価資料:SLE患者を対象とした国際共同第Ⅲ相二重盲検並行群間比較試験(点滴静注用製剤、BEL113750試験)
[2]Zhang F et al.: Ann Rheum Dis 77: 355-363, 2018
利益相反:本試験はグラクソ・スミスクライン株式会社の支援により行われた。また、著者にグラクソ・スミスクライン株式会社の社員および株主、グラクソ・スミスクライン株式会社よりコンサルタント費、講演料、謝礼金の支払いを受けた者が含まれる。

BLISS-NEA試験(第Ⅲ相国際共同検証試験):有効性

52週時のSRI4レスポンダー率[主要評価項目(検証的な解析結果)]

52週時のSRI4レスポンダー率[主要評価項目:検証的な解析結果]

MITT集団
調整済みオッズ比[95%CI]及びp値:投与群、ベースライン時のSELENA SLEDAIスコア(≦9点 vs. ≧10点)、補体(C3及び/又はC4の低値 vs. それ以外)、国を共変量としたロジスティック回帰分析

抗dsDNA抗体価のベースラインからの変化率の推移・52週時のSELENA SLEDAI免疫系の改善率
C3値及びC4値のベースラインからの変化率の推移(調整済み平均値)

初回のフレア(BILAG 1A/2B で定義a)が発現するまでの時間[その他の評価項目]

初回のフレア(BILAG 1A/2B で定義a)が発現するまでの時間

調整済みハザード比[95%CI]:0.57[0.42‒0.77]、p=0.0003b
MITT集団
調整済みハザード比[95%CI]及びp値:ベースライン時のSELENA SLEDAIスコア(≦9点 vs. ≧10点)、補体(C3及び/又はC4の低値 vs. それ以外)、国を共変量としたCox比例ハザードモデル
a:BILAG で定義したフレア(ベースラインからカテゴリーAに悪化した臓器系が1つ以上、又はカテゴリーBに悪化した臓器系が2つ以上)
カテゴリーA:重度疾患活動性で、大量のステロイドと免疫抑制薬の併用が必要な状態 
カテゴリーB:中等度疾患活動性で、少量のステロイドや抗炎症薬等の対症療法が必要な状態
b: 名目上のp値
 

 

ステロイド1日投与量のベースラインからの変化量の推移 (調整済み平均値)・初回のフレア(BILAG 1A/2B で定義a)累積発現率

52週時のSELENA SLEDAI臓器系別の改善率[その他の評価項目;サブグループ解析]

52週時のSELENA SLEDAI臓器系別の改善率

*:p=0.0058c **:p=0.0043c ***:p<0.0001c
注:同じ臓器系のスコアがベースライン時と比べて減少していた場合を改善と定義した。
注:ベンリスタ併用群とプラセボ併用群との比較には、Fisherの直接確率検定を用いた。
a:ベースライン等に該当する臓器系でスコア0点超の患者。各臓器系で記載している症状は、ベースライン時に最も多くみられた項目を記載。
b:発熱を含む。
c:名目上のp値
 

52週時のBILAG臓器系別の改善率[その他の評価項目;サブグループ解析]

52週時のBILAG臓器系別の改善率

*:p=0.0069b **:p=0.0445b †:p=0.0250b ‡:p=0.0078b
注:該当する臓器系でベースライン時にカテゴリーA又はBの患者を対象とした。ベースライン時のカテゴリーがAの場合はカテゴリーB、C又はDへの変化、ベースライン時のカテゴリーがBの場合はカテゴリーC又はDへの変化を改善とした。
注:ベンリスタ併用群とプラセボ併用群との比較には、Fisherの直接確率検定を用いた。
a:改善率(%)算出の際に母数とした。
b:名目上のp値
 

BLISS-NEA試験(第Ⅲ相国際共同検証試験):安全性 

二重盲検期(52週)中に認められた主な副作用(各群における発現割合≧2 %)

clinical studies safety img 03

MedDRA 18.1/J18.1
Safety集団
注:治験薬の投与後に発現した有害事象のみを集計した

二重盲検期(52週)中に認められた
重篤な有害事象(いずれかの群で2例以上に発現)

clinical studies safety img 04

MedDRA 18.1/J18.1
Safety集団

二重盲検期(52週)中に認められた
投与中止に至った有害事象(2例以上に発現)

clinical studies safety img 05

MedDRA 18.1/J18.1
Safety集団

二重盲検期(52週)中に認められた死亡、免疫原性

二重盲検期(52週)中に認められた死亡、免疫原性

※1 抗ベリムマブ抗体の免疫原性応答が陽性(一過性又は持続性)
※2 治験薬との因果関係はないが、原疾患との因果関係があると判定された
※3 免疫原性に関連する臨床所見は認められなかった(本試験では中和抗体の測定は行われていない)
Safety集団

二重盲検期(52週)中に認められた
注目すべき有害事象として特定した感染症(日和見感染等)

二重盲検期(52週)中に認められた注目すべき有害事象として特定した感染症(日和見感染等)

Safety集団 MedDRA18.1/J18.1
a:治験担当医師による判定 b:すべての帯状疱疹が再発性又は播種性に分類されるものではない。

SRI4レスポンダーの定義

clinical studies safety img 06

SRI4レスポンダーは、SELENA SLEDAI、BILAG、PGAから構成される、病態の悪化を伴わない疾患活動性の改善を評価する尺度です[3]

4. 効能又は効果
既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス

5. 効能又は効果に関連する注意
5.1 過去の治療において、ステロイド、免疫抑制薬等による全身性エリテマトーデスに対する適切な治療を行っても、疾患活動性を有する場合に、本剤を上乗せして投与すること。
5.2 抗核抗体、抗dsDNA抗体等の自己抗体が陽性であることが確認された全身性エリテマトーデス患者に使用すること。
5.3 臨床試験において、重症のループス腎炎又は重症の中枢神経ループスを有する全身性エリテマトーデス患者に対する有効性及び安全性は検討されていない[17.1.1-17.1.4参照*1][17.1.1、17.1.2参照*2]。
5.4 17.臨床成績の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

6. 用法及び用量
<ベンリスタ点滴静注用120mg・400mg> 通常、成人及び5歳以上の小児にはベリムマブ(遺伝子組換え)として、1回10mg/kgを初回、2週後、4週後に点滴静注し、以後4週間の間隔で投与する。
<ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター・200mgシリンジ> (200mgオートインジェクター)    

  •  成人
       通常、成人にはベリムマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを1週間の間隔で皮下注射する。
  •  小児
       通常、5歳以上の小児には、ベリムマブ(遺伝子組換え)として1回200mgを、体重に応じ以下の間隔で皮下注射する。
       40kg以上:1週間の間隔
       15kg以上40kg未満:2週間の間隔 (200mgシリンジ)

7. 用法及び用量に関連する注意

<ベンリスタ点滴静注用120mg・400mg>
7.1  本剤による治療反応は、通常投与開始から6ヵ月以内に得られる。6ヵ月以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
7.2  臨床試験において、本剤と他の生物製剤又はシクロホスファミド静注剤との併用に対する有効性及び安全性は検討されていない。[17.1.1-17.1.4参照]

<ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター・200mgシリンジ>
7.1 本剤による治療反応は、通常投与開始から6ヵ月以内に得られる。6ヵ月以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
7.2 臨床試験において、本剤と他の生物製剤又はシクロホスファミド静注剤との併用に対する有効性及び安全性は検討されていない。[17.1.1、17.1.2参照]
7.3 5歳以上18歳未満の患者を対象とした臨床試験成績等を踏まえ、1回200mgを1週間の間隔で皮下注射した場合に曝露量が増加する可能性があることを考慮した上で、15歳以上18歳未満で体重40kg未満の患者では、1回200mgを2週間の間隔で皮下注射することも考慮すること。[16.1.2、17.1.2参照]

References

  1. 承認時評価資料:SLE患者を対象とした国際共同第Ⅲ相二重盲検並行群間比較試験(点滴静注用製剤、BEL113750試験)
  2. Zhang F et al.: Ann Rheum Dis 77: 355-363, 2018
    利益相反:本試験はグラクソ・スミスクライン株式会社の支援により行われた。また、著者にグラクソ・スミスクライン株式会社の社員および株主、グラクソ・スミスクライン株式会社よりコンサルタント費、講演料、謝礼金の支払いを受けた者が含まれる。
  3. Furie RA et al.: Arthritis Rheum 61: 1143-1151, 2009

製品名はすべて、グラクソ・スミスクライン、そのライセンサー、提携パートナーの登録商標です。製剤写真及びPDF資料は、患者指導の目的に限りダウンロード頂けます。

PM-JP-BEL-WCNT-240002 2024.10