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IL-5の上皮バリア機能に対する影響

重症喘息患者の83.8%が好酸球性炎症のフェノタイプ Grade3(最も可能性が高い)に分類されました

これまで多様なフェノタイプ分類が報告された中で、2021年に新たなエビデンスが報告されました。

好酸球フェノタイプの割合

好酸球フェノタイプの割合

対象
2015年1月1日~2019年9月30日に11ヵ国でInternational Severe Asthma Registryに登録された18歳以上の重症喘息患者のうち利用可能な血中好酸球数データを有する1,716例(プロスペクティブデータ)

方法
ヒストリカル登録研究。事前に定義された勾配好酸球フェノタイプアルゴリズムを用いて、最高血中好酸球数、長期の経口ステロイド薬投与、呼気一酸化窒素濃度の上昇、鼻ポリープ、および成人期の喘息発症に基づき、好酸球フェノタイプ可能性の分類を行った。

喘息は好酸球性喘息・好中球性喘息に分かれ、また好酸球性喘息の中でもアレルギー性・非アレルギー性と分類されます。
T2炎症を有するタイプでは、IL-5によって活性化された好酸球性炎症が深く関与する好酸球性フェノタイプの患者さんが多くみられ、重症喘息患者の83.8%が好酸球性炎症のフェノタイプGrade3(最も可能性が高い)に分類されたという報告があります。

Heaney LG et al:Chest 2021;160(3), 814-830

異なる細胞種におけるIL-5シグナル伝達の作用に関するエビデンス

異なる細胞種におけるIL-5シグナル伝達の作用に関するエビデンス

メポリズマブ発売後も多くの研究が行われ、IL-5は好酸球のみならず、好塩基球、肥満細胞、形質細胞、気道上皮細胞、線維芽細胞などに影響を与えることが報告されています。
ヒトにおけるエビデンスでは、好酸球の増殖・分化、組織への動員などが起こり、気道上皮細胞では上皮バリアの完全性の障害、線維芽細胞では増殖などの働きが確認されました。

Bachert C et al:J Allergy Clin Immunol Pract 2023;11(9),2630-2641
利益相反:著者にはアドバイザリーボードに参加し、グラクソ・スミスクライン(株)から講演料を受領した者などが含まれた。

IL-5は2型炎症の中心的な役割を果たすサイトカインであり、好酸球性炎症にとどまらず病態生理において広範な役割を担います1–15

IL-5は2型炎症の中心的な役割を果たすサイトカインであり、好酸球性炎症にとどまらず病態生理において広範な役割を担います

CCL(chemokine ligand):ケモカインリガンド、 ECM(extracellular matrix):細胞外マトリックス、EMTU(epithelial-mesenchymal trophic unit)、EPX(eosinophil-peroxidase):好酸球ペルオキシダーゼ、ILC2(type 2 innate lymphoid cells):2型自然免疫細胞、iNOS(inducible nitric oxide synthase):誘導型一酸化窒素合成酵素、TGF-β(transforming growth factor beta):形質転換増殖因子β、Th2(T helper 2):ヘルパーT2細胞、TSLP(thymic stromal lymphopoietin)

最新の研究結果から、IL-5は上皮細胞のタイトジャンクション(細胞の結びつき)を低下させ、バリア機能を低下させる働きが確認されています。
さらに、IL-5は線維芽細胞を直接活性化させ、気道リモデリングを促進することも報告されています。
これらのことからもIL-5がT2炎症の中心的なサイトカインであり、好酸球性炎症にとどまらず病態生理において広範な役割を担うことが明らかになっています。

1)Al-Shaikhly T et al:Eur Respir J 2022;60(2),101865
利益相反:著者にグラクソ・スミスクライン(株)が助成金を支払った者が含まれる。
2)Bains S et al:Allergy 2012;67(12),1601-1604
利益相反:著者にグラクソ・スミスクライン(株)が研究助成金を支払った者が含まれる。 
3)Bajbouj K et al:Allergy 2023;78(3),882-885
利益相反:著者にグラクソ・スミスクライン(株)が研究助成金を支払った者が含まれる。 
4)Santini G et al:Expert Opin Investig Drugs 2017;26(3),357-366
利益相反:著者にグラクソ・スミスクライン(株)が研究助成金を支払った者が含まれる。 
5)Brusselle GG et al:Nat Med 2013;19(8),977-979
利益相反:著者にグラクソ・スミスクライン(株)が研究助成金を支払った者が含まれる。 
6)Buchheit K et al:J Allergy Clin Immunol 2020;145(6),1574-1584
7)Buchheit K et al:J Allergy Clin Immunol 202 1;148(2),574-584
利益相反:著者にグラクソ・スミスクライン(株)がアドバイザリーボード費を支払った者が含まれる。
8)Fajt ML,Wenzel SE:Allergy Asthma Immunol Res 2017;9(1 ),3-14 
9)Gandhi NA et al:Nat Rev Drug Discov 2016;15(1 ),35-50
10)Holgate ST et al:Int Arch Allergy Immunol 2001;124(1-3),253-258
11)Israel E,Reddel HK:N Engl J Med 2017;377(10),965-976
利益相反:著者にグラクソ・スミスクライン(株)がアドバイザリーボード費を支払った者が含まれる。また、助成金、研究支援金を支払った者が含まれる。
12)Michalik M et al:Cell Mol Life Sci 2018;75(21),3943-3961 
13)Paul WE,Zhu J:Nat Rev Immunol 2010;10(4),225-235
14)Rakkar K et al:medRxiv
https://doi.org/10.1101/2023.05.18.23290155(アクセス2024年1月12日)
15)Barretto KT et al:Allergy 2020;75(8),2127-2130

喘息患者における上皮異常の基盤となるIL-5および好酸球性炎症

喘息患者における上皮異常の基盤となるIL-5および好酸球性炎症

IL-5や好酸球は炎症カスケードの下流のみならず、上皮においても作用を有しています。
IL-5は上皮細胞のタイトジャンクション(細胞の結びつき)を低下させ、バリア機能を低下させる働きが確認されており、好酸球炎症は、上皮に直接的に傷害を加えることが明らかになっています。
このことにより外的因子(喘息増悪の原因)に対する感受性を高める可能性が示唆されています。

1)Travers J,Rothenberg ME:Mucosal Immunol 2015;8(3),464-475
2)Wilson SJ et al:Clin Exp Allergy 2013;43(12),1342-1350
3)Frigas E et al:Eur Respir J 1991;4(suppl 13),123s-135s
4)Baretto KT et al:Allergy 2020;75(8),2127-2130
5)Hackett T et al:Am J Resp Cell Mol Biol 2013;49(4),662-671
6)Heijink IH et al:Allergy 2020;75(8),1902-1917 より作図

気管支上皮細胞におけるIL-5受容体発現状況(in vitro

ヒト気管支上皮細胞にrh-IL-5を添加し24時間インキュベーション

ヒト気管支上皮細胞にrh-IL-5を添加し24時間インキュベーション

CSF2RB:IL-5、IL-3およびGM-CSFに対する受容体のβサブユニット、CXCL(C-X-C motif chemokine ligand)、FC(fold change):倍率変化、FDR(false discovery rate):偽陽性率、IL1RL1(interleukin-1 receptor type 1):インターロイキン‐1受容体タイプ1、 IL(nterleukin)、IL-5RA(interleukin-5 receptor alpha):インターロイキン‐5受容体アルファ、rh-IL-5(recombinant human interleukin-5):組換えヒトインターロイキン‐5、ST2(suppression of tumourigenicity 2 protein):腫瘍形成抑制タンパク2

方法
肺ドナー1名から採取した気管支組織において、上皮細胞のIL-5受容体のαサブユニット(IL5RA)およびβサブユニット(CSF2RB)のタンパク質発現を免疫蛍光法を用いて確認した。また、ヒト気管支上皮細胞に対するIL-5受容体の影響を評価するため、肺ドナー3名からの上皮細胞を気液界面培養(ALI)で培養し、未処理またはrh-IL-5で24時間刺激した後RNAシーケンスを行った。

こちらは、ヒト気管支上皮細胞をIL-5とともにインキュベートし、遺伝子発現の変化を示しております。
その結果、上皮のタイトジャンクションやバリア機能に関連する遺伝子(E-カドヘリン、カベオリン)の発現低下が見られました。
また、自然免疫に関連する遺伝子の発現低下も認められ、感染症、傷害、または過敏症に対して正常に反応する上皮細胞の働きを低下させる可能性が示唆されました。
このことからも、IL-5を阻害することで上皮へ影響を及ぼす可能性があります。

Barretto KT et al:Allergy 2020;75(2),2127-2130

参考情報:メポリズマブの気道過敏性への影響(ex vivo

気管支組織におけるヒスタミン刺激に対するメポリズマブの影響(ex vivo

気管支組織におけるヒスタミン刺激に対するメポリズマブの影響

Two-way ANOVA
*p<0.05
mean±SE(各n=5)

試験方法
ex vivo、前向き、無作為化、陰性・陽性対象、盲検、並行群間比較試験。
気管支拡張薬またはステロイド薬による継続した治療歴がなく血清IgEレベルが正常範囲内(<100IU/mL)にあり、肺葉切除前の肺機能パラメータが正常な肺がん患者16例から肺葉切除術施行時に気管支組織を採取した。得られた気管支組織のリング状切片(厚さ1~2mm、直径4~6mm)を感作性血清または非感作性血清(各10%/vol)存在下で一晩培養し、受動感作気管支(陽性対照)または非感作気管支(陰性対照)を作成した。なお、感作性血清は重度アトピー性喘息患者から採取し、非感作性血清は非アトピー性被検者から採取した。メポリズマブ気管支は、ヒスタミン刺激後、感作性血清とともにメポリズマブ(1、3、10、30、100μg/mL)を添加し一晩培養した。ヒスタミン刺激は、各濃度に対し安定した収縮レベルに達するまで、気道切片を通常5~15分間ヒスタミンで刺激した。収縮反応測定は、等尺性力変換器を用いて非感作気管支、受動感作気管支およびメポリズマブを投与した受動感作気管支で実施し、ヒスタミン濃度反応曲線を描出した。

本研究の限界
採取した気管支モデルは固有のものであり、それは、長期曝露後ではなく、ex vivoの亜急性実験設定において、気道過敏性に対するメポリズマブの効果の特徴付けを可能にしたに過ぎない。

実際にヒト気管支を用いた研究によってメポリズマブの気道過敏性の研究も報告されています。
本研究は、ヒスタミンにより惹起されるヒト気管支の気道過敏性に対するメポリズマブの保護効果を評価することでした。
ご覧の通り、メポリズマブの添加によって、受動感作気管支に比べ有意に収縮反応を抑え、非感作気管支と同程度まで低下しました。

Calzetta L et al:Br J Pharmacol 2020;177(20),4750-4765
利益相反:著者にグラクソ・スミスクライン(株)が助成金を支払った者が含まれる。

効能または効果

  • 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)​
  • 既存治療で効果不十分な好酸球性多発血管炎性肉芽腫症​

用法及び用量
〈気管支喘息〉​通常、成人及び12歳以上の小児にはメポリズマブ(遺伝子組換え)として1回100mgを4週間ごとに皮下に注射する。

ヌーカラは、IL-5の生物活性を阻害するヒト化モノクローナル抗体です

ヌーカラの作用機序

ヌーカラの作用機序

メポリズマブは、好酸球表面に発現するIL-5受容体α鎖へのIL-5結合を阻止します。これにより、IL-5のシグナル伝達を阻害して、好酸球の増殖、分化、浸潤、活性化および生存を抑制し、気管支喘息患者において増加している喀痰中および血中好酸球数を減少させます。1~4)

ヌーカラは、IL-5の生物活性を直接阻害する抗IL-5抗体薬であり、好酸球の表面に発現するIL-5受容体α鎖へのIL-5結合を阻止します。
これにより、IL-5のシグナル伝達を阻害し、好酸球の増殖、分化、浸潤、活性化および生存を阻害することに加え、本ページにてお示しした通り、好酸球以外の異なる細胞種への影響も示唆されています。

1)ヌーカラ皮下注用100mg(気管支喘息)承認時評価資料:薬効薬理(メポリズマブの特徴・作用機序)
2)Garcia G et al:Eur Respir Rev 2013;22(129), 251-257
3)Kouro T, Takatsu K:Int Immunol 2009;21(12), 1303-1309
4)Ortega HG et al:Eur Respir J 2014;44(1), 239-241 より作図
利益相反:著者にグラクソ・スミスクライン(株)の社員4名が含まれた。

製品名はすべて、グラクソ・スミスクライン、そのライセンサー、提携パートナーの登録商標です。
製剤写真及びPDF資料は、患者指導の目的に限りダウンロード頂けます。

PM-JP-MPL-WCNT-240001 2024.02