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接種上の注意

接種適否の確認

  • 接種対象者は50歳以上、または帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者です。

※ 

  • 疾病または治療により免疫不全である者、免疫機能が低下した者または免疫機能が低下する可能性がある者
  • 上記以外で、医師が本剤の接種を必要と認めた者
  • 接種不適当者および接種要注意者は以下のとおりです。

接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

  • 明らかな発熱(通常37.5℃以上)を呈している者
  • 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  • 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  • 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

  • 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患を有する者
  • 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  • 本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者
  • 過去に痙攣の既往のある者
  • 過去に免疫不全の診断がされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  • 血小板減少症や凝固障害を有する者、抗凝固療法を施行している者[筋肉内注射部位の出血のおそれがある。]

問診・診察の実施

  • 予診票
    • 本人または代理人に予診票を記入してもらいます。
    • 予診票の記載に漏れがあれば、問診時に確認します。
  • 問診・診察
    • 予診票の記載を確認し、問診時確認事項を確認します(下記参照)。
    • 診察を行い、接種不適当者もしくは接種要注意者でないかを確認します。接種不適当者やこれらに該当する疑いがあると判断された場合、接種を中止します。

問診時確認事項
被接種者に次の問診を行う。 

  • 被接種者のフルネーム、住所、年齢、生年月日
  • 被接種者が次のいずれかに該当するか
    • 50歳以上の者
    • 帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者(①疾病または治療により免疫不全である者、免疫機能が低下した者または免疫機能が低下する可能性がある者、②①以外で、医師が本剤の接種を必要と認めた者)
  • シングリックスの接種回数(2回目の接種を行う場合、前回との接種間隔)
  • 最近1ヵ月以内に受けた予防接種の種類と実施日
  • 接種前の体温(通常37.5℃以上での接種は適当ではない)

被接種者にお伝えいただきたいこと

  • 副反応の説明・同意
    • 副反応について十分に説明し、接種の同意を得てください。
    • 特に、注射部位における疼痛の発現率が高いことをお伝えください。

1.50歳以上の者を対象とした臨床試験で報告された副反応

シングリックス接種後7日間に報告された副反応

2つの国際共同第Ⅲ相臨床試験において本剤接種後7日間(接種当日を含む)の日誌による安全性調査を行った4,884例(国内被験者186例を含む)のうち、局所性(注射部位)の副反応は80.8%で認められ、主なものは、疼痛3,810例(78.0%)、発赤1,863例(38.1%)、腫脹1,267例(25.9%)であった。また、4,876例(国内被験者186例を含む)のうち、全身性の副反応は64.8%で認められ、主なものは、筋肉痛1,949例(40.0%)、疲労1,895例(38.9%)、頭痛1,588例(32.6%)であった。(承認時)

  • 副反応発現例数
  発現例数(%)
全例 日本人部分集団
局所性
(注射部位)
被験者数 4,884例 186例
疼痛 すべて 3,810 (78.0) 166(89.2)
グレード3 315( 6.4) 7( 3.8)
発赤 すべて 1,863 (38.1) 140(75.3) 
グレード3 141( 2.9) 34(18.3)
腫脹  すべて 1,267 (25.9) 120(64.5)
グレード3  51( 1.0) 14( 7.5)
全身性
(注射部位以外)
被験者数 4,876例 186例
筋肉痛 すべて 1,949 (40.0) 100(53.8)
グレード3 218( 4.5) 6( 3.2)
疲労 すべて 1,895 (38.9) 93(50.0) 
グレード3 218( 4.5) 9( 4.8)
頭痛 すべて 1,588 (32.6) 77(41.4)
グレード3 143( 2.9) 3( 1.6)
悪寒  すべて 1,148 (23.5) 59(31.7)
グレード3 181( 3.7) 7( 3.8)
発熱 すべて 872(17.9) 45(24.2)
グレード3 13( 0.3) 0( 0.0)
胃腸症状 すべて 636(13.0) 34(18.3)
グレード3 48( 1.0) 2( 1.1)
  • 副反応の持続日数
  持続日数(中央値)
局所性(注射部位) 総接種数 9,560回
疼痛
す べ て 3.0
グ レ ー ド 3 1.0
発赤 す べ て 3.0
グ レ ー ド 3  2.0
腫脹 す べ て 3.0
グ レ ー ド 3  1.0
全身性(注射部位以外)
総接種数 9,544回
筋肉痛 す べ て 2.0
グ レ ー ド 3  1.0
疲労  す べ て 2.0
グ レ ー ド 3  1.0
頭痛 す べ て 2.0
グ レ ー ド 3  1.0
悪寒 す べ て 1.0
グ レ ー ド 3  1.0
発熱 す べ て 1.0
グ レ ー ド 3  1.0
胃腸症状 す べ て 2.0
グ レ ー ド 3  1.0

※ グレード3の持続日数の中央値は、グレード2以下になるまでの日数

  • 重症度の分類

グレード1(軽度):不快感がきわめて軽く、日常活動に支障を来すこともない、被験者が容易に耐えられる程度の副反応
グレード2(中等度):通常の日常活動に支障を来す程度の不快感がある副反応
グレード3(重度):通常の日常生活を行えない程度の副反応

承認時評価資料: 国際共同第Ⅲ相臨床試験. ZOSTER-006/022併合解析

2.帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者を対象とした臨床試験で報告された副反応

シングリックス接種後7日間に報告された副反応
18歳以上の自家造血幹細胞移植施行者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験において本剤接種後7日間(接種当日を含む)の日誌による安全性調査を行った901例(国内被験者42例を含む)のうち、局所性(注射部位)の副反応は85.8%で認められ、主なものは、疼痛756例(83.9%)、発赤301例(33.4%)、腫脹168例(18.6%)であった。また、全身性の副反応は42.1%で認められ、主なものは、筋肉痛279例(31.0%)、疲労210例(23.3%)、悪寒131例(14.5%)であった。(一部変更承認時)

  • 副反応発現例数
  発現例数(%)
全例 日本人部分集団
局所性(注射部位) 被験者数 901例 42例
疼痛 す べ て 756(83.9) 40(95.2)
グ レ ー ド 3 99(11.0) 2 ( 4.8)
発赤 す べ て 301(33.4) 22(52.4)
グ レ ー ド 3 28 ( 3.1) 5(11.9)
腫脹 す べ て 168(18.6) 12(28.6)
グ レ ー ド 3 13 ( 1.4) 1 ( 2.4)
全身性(注射部位以外) 被験者数 901例 42例
疲労  す べ て 210(23.3) 8(19.0)
グ レ ー ド 3 35 ( 3.9) 1 ( 2.4)
胃腸症状 す べ て 79 ( 8.8) 1 ( 2.4)
グ レ ー ド 3 5 ( 0.6) 0 ( 0.0)
頭痛 す べ て 123(13.7) 1 ( 2.4)
グ レ ー ド 3 15 ( 1.7) 0 ( 0.0)
筋肉痛 す べ て 279(31.0) 13(31.0)
グ レ ー ド 3 32 ( 3.6) 0 ( 0.0)
悪寒 す べ て 131 (14.5) 2 ( 4.8)
グ レ ー ド 3 26 ( 2.9) 0 ( 0.0)
発熱 す べ て 101(11.2) 6(14.3)
グ レ ー ド 3 3 ( 0.3) 0 ( 0.0)

承認時評価資料: 国際共同第Ⅲ相臨床試験. ZOSTER-002

3.副反応(シングリックス筋注用電子添文[2023年6月改訂(第2版)]より)

重大な副反応
ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
アナフィラキシー反応を含む過敏症状があらわれることがある。

その他の副反応

  10%以上 1~10%未満 1%未満
過敏症     蕁麻疹、血管性浮腫
皮膚     そう痒症、発疹、紅斑、多汗症
呼吸器     口腔咽頭痛、咳嗽 
投与部位
(注射部位)
疼痛(79.1%)、発赤(37.4%)、腫脹(24.2%) そう痒感 注射部位反応、発疹、炎症、硬結、関節痛、内出血、 浮腫、不快感、熱感
消化器 胃腸症状 (悪心、嘔吐、下痢、腹痛)(12.0%)    
精神神経系 頭痛(28.3%)   浮動性めまい、不眠症、傾眠、嗜眠
筋・骨格系  筋肉痛(36.9%)   関節痛、四肢痛、背部痛、筋骨格痛、頚部痛
感染症     鼻咽頭炎、気道感染、インフルエンザ感染、ヘルペス(口腔または単純ヘルペス)感染
その他 疲労(34.6%)、悪寒(21.4%)、発熱(16.7%) 倦怠感、疼痛 インフルエンザ様疾患、無力症、冷感、熱感、 食欲減退、回転性めまい

シングリックス筋注用電子添文[2023年6月改訂(第2版)]

  • 接種回数
    • シングリックスは2回の接種が必要であることをお伝えください。 
  • 接種間隔・時期(接種スケジュール)
    50歳以上の者または帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者
    • 標準として1回目の接種から2ヵ月の間隔をおいて2回目の接種を行いますが、2ヵ月を超えた場合であっても、6ヵ月後までに2回目の接種を行います。

シングリックスの接種スケジュール

シングリックスの接種スケジュール(帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者)

※例:1回目の接種が10月10日の場合、12月10日から2回目の接種が可能

帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者

  • ワクチン接種スケジュールを短縮することによりベネフィットが得られる場合には、1回目の接種から2回目の接種までの間隔を1ヵ月まで短縮することができます。
  • 造血幹細胞移植、化学療法等の実施予定および実施後の患者等において、高度にリンパ球が減少・抑制されることが予想される、または減少・抑制されている等の場合には、個々の被接種者における状態を考慮した上で、本剤の適切な接種時期を決定してください。

シングリックスの接種スケジュール

シングリックスの接種スケジュール

1回目の接種から1~2ヵ月の間隔をおいて2回目の接種を行う

有効期間・外観の確認

(1)有効期間

  • 有効期間は36ヵ月です。
  • 有効期限までの日数が長いものは奥に、短いものは手前に保管します。

(2)外観

  • 目視で異物が入っていないか確認します。
  • 誤って凍結させたものは、品質が変化しているおそれがあるので、使用しないでください。

※ シングリックスは凍結を避けて、2~8℃で保存します。
※ 適切な温度を保つため、保管庫の温度を定期的にチェックし、記録します。

使用方法の確認

  • 50歳以上の者には、0.5mLを2回、通常、2ヵ月の間隔をおいて、筋肉内に接種します。
  • 帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者には、0.5mLを2回、通常、1~2ヵ月の間隔をおいて、筋肉内に接種します。
  • 調製後はすぐに使用してください。

シングリックス筋注用の使用方法

  • Step 1 準備
    以下のものを準備します。
  • 抗原製剤
  • 専用溶解用液0.5mL
  • シリンジ、注射針
  • 消毒用アルコール

※本剤にシリンジ、注射針は付属されていません。

シングリックスのバイアルは2本

接種用の注射針は、筋肉内注射に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長をご使用ください。

針長は、被接種者の年齢や体格を考慮して決定してください。

参考:米国疾病予防管理センター(CDC)による標準的な針長

被接種者(19歳以上) 針長
男性 女性
体重<60kg 体重<60kg 25mm(1インチ)*
体重60~70kg 体重60~70kg 25mm(1インチ)
体重70~118kg 体重70~90kg 25~38mm(1~1.5インチ)
体重>118kg 体重>90kg 38mm(1.5インチ)

*専門家によっては、16mm(5/8インチ)を推奨する場合があります。

CDC. The Pink Book-14th Edition(2021)

  • Step 2 調製方法
  1. バイアルのキャップを外し、バイアル上部を消毒用アルコール等で消毒します。
  2. 専用溶解用液のバイアルを少し傾けながら、全量をシリンジに吸引します。
  3. 吸引した専用溶解用液を抗原製剤のバイアル内に全て注入します。
  4. 抗原製剤のバイアルを泡立てないよう優しく振り混ぜ、完全に溶解させます。
    (調製後は、乳白光を呈する、無色~微褐色の液になります。
     目視で異物が入っていないか確認し、異常があれば使用を中止してください。)
  5. 0.5mLを再度シリンジ内にゆっくり吸引します。
シングリックスの調製方法

調製後はすぐに使用してください。
すぐに使用できない場合は、遮光して2~8℃で保管し、6時間以上経過したものは破棄してください。

  • Step 3 筋肉内注射
    本剤0.5mLを筋肉内に接種します。
  • 皮下注射、静脈内注射または皮内注射はしないでください。
  • シリンジ内の空気を除去する際は、可能な限り薬液を減じないよう注意してください。
  • 神経走行部位を避けて、上腕の三角筋部(可能であれば利き腕とは逆の腕の上腕の三角筋)に接種してください。
  • 同日に他のワクチンを同一部位に接種すること(反復接種)は、避けてください。
  • 上腕の三角筋中央の皮膚面に垂直に筋肉内注射します。
  • 上腕の三角筋内に針が十分達するよう刺入してください。
  • 使用したシリンジ、注射針およびバイアルは医療廃棄物として廃棄してください。
シングリックスは筋肉内注射

被接種者にお伝えいただきたいこと

  • 接種後の注意事項をお伝えください(下記参照)。
  • 接種後1週間は副反応の出現に注意し、気になる症状が現れた場合は速やかに連絡するよう伝えてください。
  • シングリックスは2回の接種が必要なことを再度ご説明し、2回目接種の目安時期をお伝えください。

接種後の注意事項

  • 接種後にアナフィラキシーが起こることがあるので、接種後30分程度は、接種施設で背もたれのある椅子にゆっくり腰掛けて、体調の変化がないことを確認する。
  • 接種当日は激しい運動を避け、接種部位を清潔に保つ。接種当日の入浴は差し支えない。
  • 接種後に接種部位の異常な反応や体調の変化を感じた場合、高熱、けいれんなどの異常な症状が現れた場合には、すぐに医師の診察を受ける。
  • シングリックスの接種により健康被害が発生した場合には「医薬品副作用被害救済制度」により治療費等が支給される場合がある。詳しくは独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ等を確認する。

 

副反応への対処法

  • 接種後に起こりうる副反応への対処法を参考にしてください(下記参照)。

接種後に起こりうる副反応への対処法

注射部位の発赤・腫脹

  • 発赤・腫脹の多くは3日以内(グレード3の事象の多くは7日以内)で消失するが、熱感、発赤の強いときには必要に応じて局所の冷湿布を行う。

発熱

  • 発熱の一般的な方法(冷却、アセトアミノフェンなどの解熱剤投与)で処置する。他の原因による発熱も考えられるので、被接種者の観察が重要である。

重大な副反応

  • 重大な副反応として、まれにショック、アナフィラキシー(血管浮腫、じんましん・呼吸困難など)が現れることがある。その処置は、一般の救急治療に準じて行うので救急医療品セット、気道確保に必要な器具一式、酸素吸入用具等の準備が必要で、最低限の薬品・機材等は接種施設に備えておく。
  • アナフィラキシーは、通常接種後30分以内に起こることが多いので、この間、被接種者を接種施設で安静に待機させ、被接種者の状況を観察する。アナフィラキシーを認めた場合は、治療手順に従って、適切な処置を実施する。

予防接種ガイドライン等検討委員会 監: 予防接種ガイドライン 2023年度版. p64-68, 公益財団法人予防接種リサーチセンター. 2023より作成

  • 救急処置物品例
  1. 血圧計(☆)
  2. 静脈路確保用品
  3. 輸液
  4. アドレナリン(☆)
    抗ヒスタミン剤(H1受容体拮抗薬)
    抗けいれん剤
    副腎皮質ステロイド剤等の薬液
  5. 喉頭鏡
  6. 気管内チューブ
  7. 蘇生バッグ(☆)等

※ この物品例は1例である。このようなものを準備することが望ましい。
※ アナフィラキシーの発生時の診断および治療上、必要なものとして☆印のものを準備する。

予防接種ガイドライン等検討委員会 監: 予防接種ガイドライン 2023年度版. p66, 公益財団法人予防接種リサーチセンター. 2023

  • Brighton分類におけるアナフィラキシーの新しい症例定義
確度レベル アナフィラキシーの基準
レベル1,2,3 必須基準:・徴候/症状の突然の発症  ・徴候/症状の急速な進行
上記の基準を2つとも満たしている場合:レベル1,2,3
上記の基準の一方あるいは2つとも満たしていない場合:レベル5

皮膚、呼吸器、循環器、および消化器系に認められた症状や検査結果をMajorおよびMinor基準の組み合わせで、最も診断確度の高いレベル(レベル1>レベル2>レベル3)を判断する。
レベル1 1つ以上のMajor皮膚症状+1つ以上のMajor循環器症状(または/および1つ以上のMajor呼吸器症状)
レベル2
2-1 1つ以上のMajor皮膚症状+1つ以上のMinor呼吸器症状(または/および1つ以上のMinor循環器症状)
2-2 1つ以上のMajor呼吸器症状+1つ以上のMajor循環器症状
2-3 1つ以上のMajor呼吸器症状+1つ以上のMinor呼吸器以外の器官(皮膚、循環器、消化器)症状、検査値
2-4 1つ以上のMajor循環器症状+1つ以上のMinor循環器以外の器官(皮膚、呼吸器、消化器)症状、検査値
レベル3 3-1 1つ以上のMinor呼吸器症状+2つ以上の異なる器官(皮膚、循環器、消化器)症状、検査値
3-2 1つ以上のMinor循環器症状+2つ以上の異なる器官(皮膚、呼吸器、消化器)症状、検査値
レベル4 十分な情報が得られておらず、症例定義に合致すると判断できない
レベル5 アナフィラキシーではない(診断の必須条件を満たさない)

SO2- D2.5.2.1 – AESI Case Definition Companion Guide for 1st Tier AESI Anaphylaxis Work Package: WP2 Standards and tools V1.0 - 5 February 2021 Nature: Report | Diss. level: Public(予防接種ガイドライン等検討委員会和訳)

  • Major基準
皮膚症状
  • 全身性蕁麻疹
  • 全身性紅斑
  • 血管浮腫(遺伝性のものを除く)局所もしくは全身性
  • 発疹を伴う全身性掻痒感

1つ

以上

循環器症状

  • 測定された血圧低下
  • 非代償性ショック(以下の3つ以上)
    • 頻脈
    • 毛細血管再充満時間(3秒以上)
    • 中枢性脈拍微弱
    • 意識レベル低下もしくは意識消失

1つ

以上

呼吸器症状
  • 両側性の喘鳴(気管支痙攣)
  • 上気道性喘鳴
  • 上気道腫脹(舌、喉、口蓋垂、喉頭)
  • 呼吸窮迫(以下の2つ以上)
    • 頻呼吸
    • チアノーゼ
    • 喉音発生(呻吟)
    • 陥没呼吸
    • 補助的な呼吸筋(胸鎖乳突筋、肋間筋等)の使用増加

1つ

以上

SO2- D2.5.2.1 – AESI Case Definition Companion Guide for 1st Tier AESI Anaphylaxis Work Package: WP2 Standards and tools V1.0 - 5 February 2021 Nature: Report | Diss. level: Public(予防接種ガイドライン等検討委員会和訳)

  • Minor基準
  • 1つ以上
    Minor
    皮膚症状
  • 接種局所の蕁麻疹
  • 痒みを伴う眼充血
  • 全身がちくちくと痛む感覚
  • 発疹を伴わない全身性掻痒感

  • Minor
    循環器症状
  • 末梢循環の減少症状(以下の2つ以上)
    • 頻脈
    • 毛細血管再充満時間(3秒以上)
    • 意識レベルの低下
  • 1つ以上
    Minor
    呼吸器症状
  • 持続性乾性咳嗽
  • 嗄声
  • 咽喉閉塞感
  • しゃみ、鼻水
  • 喘鳴もしくは上気道性喘鳴を伴わない呼吸困難
  • 1つ以上
    Minor
    消化器症状
  • 悪心
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 下痢
  • 1Minor
    臨床検査
  • 検査機関の上限を超える肥満細胞トリプターゼ上昇

SO2- D2.5.2.1 – AESI Case Definition Companion Guide for 1st Tier AESI Anaphylaxis Work Package: WP2 Standards and tools V1.0 - 5 February 2021 Nature: Report | Diss. level: Public(予防接種ガイドライン等検討委員会和訳)

(注)アナフィラキシーは通常30分以内に起こることが多いので、接種後30分以内は、接種施設で接種を受けた者の状況を観察するか、または被接種者が直ちに医師と連絡をとれるようにしておく。

予防接種ガイドライン等検討委員会 監: 予防接種ガイドライン 2023年度版. p67, 公益財団法人予防接種リサーチセンター. 2023

  • アナフィラキシーの治療手順

アナフィラキシーを認識し、治療するための文書化された緊急時用プロトコー ルを作成し、定期的に実地訓練を行う。

アナフィラキシーの治療手順

② 

可能ならば、曝露要因を取り除く
例:症状を誘発していると思われる検査薬や治療薬を静脈内投与している場合は中止する。

アナフィラキシーの治療手順

③ 

患者を評価する
気道/呼吸/循環、精神状態、皮膚、体重を評価する。

アナフィラキシーの治療手順

ステップ ④、⑤、⑥を速やかに並行して行う

④ 

助けを呼ぶ:
可能ならば蘇生チーム(院内)または救急隊(地域)。

アナフィラキシーの治療手順

大腿部中央の前外側にアドレナリン(1:1,000[1mg/mL]溶液)0.01mg/kgを筋注する(最大量:成人0.5mg、小児0.3mg)。
投与時刻を記録し、必要に応じて5~15分毎に再投与する。ほとんどの患者は1~2回の投与で効果が得られる。

アナフィラキシーの治療手順

患者を仰臥位にする、または呼吸困難や嘔吐がある場合は楽な体位にする。
下肢を挙上させる。突然立ち上がったり座ったりした場合、数秒で急変することがある。

アナフィラキシーの治療手順

必要な場合、フェイスマスクか経口エアウェイで高流量(6~8L/分)の酸素投与を行う。

アナフィラキシーの治療手順

留置針またはカテーテル(14~16Gの太いものを使用)を用いて静脈路を確保する。0.9%(等張)食塩水1~2Lの急速投与を考慮する(例:成人ならば最初の5~10分に5~10mL/kg、小児ならば10mL/kg)。

アナフィラキシーの治療手順

さらに

⑨ 

必要に応じて胸部圧迫法で心肺蘇生を行う

アナフィラキシーの治療手順

⑩ 

頻回かつ定期的に患者の血圧、心拍数・心機能、呼吸状態、酸素濃度を評価する(可能ならば持続的にモニタリング)。

アナフィラキシーの治療手順

一般社団法人日本アレルギー学会 監:アナフィラキシーガイドライン2022. p19, 一般社団法人日本アレルギー学会. 2022

製品名はすべて、グラクソ・スミスクライン、そのライセンサー、提携パートナーの登録商標です。製剤写真及びPDF資料は、患者指導の目的に限りダウンロード頂けます。

PM-JP-SGX-WCNT-230014 2023.09