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MESILICO試験

MESILICO試験気道リモデリング報告(海外データ:リアルワールドエビデンス)

[Domvri K et al:J Allergy Clin Immunol 2025;155(2), 425-435]
利益相反:著者にグラクソ・スミスクライン(株)が講演料および助成金を支払った者が含まれた。また、本試験に関わる費用はグラクソ・スミスクライン(株)が負担した。

(1)試験概要

目的

成人発症の閉塞パターンを伴う好酸球性重症喘息におけるヌーカラの気道リモデリングへの影響を実臨床下において検討する。

対象

ギリシャの喘息専門施設8施設を受診した遅発性の閉塞パターンを示す好酸球性重症喘息患者で、気管支鏡検査および肺機能検査を実施した41例のうち、12ヵ月の治療終了かつ治療後の気管支鏡検査を完了(良質な検体を採取)した症例34例

  • 遅発性:発症年齢20歳以上
  • 閉塞パターン:固定気道閉塞=FEV1/FVC(気管支拡張薬使用後)<0.7
  • 高用量吸入ステロイド薬(ICS)および長時間作用性β2刺激薬(LABA)および/または長時間作用性抗コリン薬(LAMA)による併用治療にもかかわらず過去12ヵ月間に1回以上の喘息増悪あり
  • スクリーニング時の血中好酸球数が150cells/μL以上または過去12ヵ月間に300cells/μL以上

方法

前向き、多施設共同試験。実臨床下で、ヌーカラ100mgを4週間ごとに12ヵ月間、皮下投与した。気管支鏡による組織生検は、ヌーカラ投与開始前2週間以内(ベースライン)およびヌーカラ治療終了後の2回実施し、組織学的および免疫組織化学的評価を行った。なお、治療後の気管支鏡検査は、患者のベースライン生検サンプルが品質管理基準を満たした場合(組織の面積、品質、および構造が気道リモデリング特性の評価に十分である場合)にのみ実施した。肺機能と臨床的特性の評価は、ベースラインとヌーカラ治療終了後の2回実施した。

〈気管支生検〉
気管支組織は、第3または第4気道分岐部から採取し10%ホルムアルデヒドで固定後、通常の処理を経てパラフィンに包埋した。生検ごとに、4μmの連続切片を40枚以上採取した。ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色後、10切片ごとに形態を確立させた。気管支生検のスライドは、画像解析システムに接続された光学顕微鏡を使用して輪郭を描き、定量化した。気管支組織の評価は、患者情報を知らされていない独立した経験豊富な病理学者2名によって行われた。個々の患者の気道リモデリングパラメータの平均値は、両病理学者による測定値の平均として計算し、病理学者2名は最終値について合意に達するために測定を繰り返し、結果について話し合った(10%超の差なし)。収集された生検標本の平均数は、患者1例あたり3±1であった。気道リモデリングは、基底膜下肥厚、気管支平滑筋面積、気管支平滑筋層肥厚、上皮完全性のベースラインからの変化によって評価した。

評価項目

〈主要評価項目〉

  • ヌーカラ治療12ヵ月後における喘息増悪の発現頻度のベースラインからの変化量
  • ヌーカラ治療12ヵ月後における肺機能(FEV1、%FEV1)のベースラインからの変化量
  • ヌーカラ治療12ヵ月後におけるACTスコアのベースラインからの変化量
  • ヌーカラ治療12ヵ月後における気道リモデリングパラメータ(基底膜下肥厚、気管支平滑筋面積の割合、気管支平滑筋層肥厚、上皮損傷の割合)のベースラインからの変化

〈副次評価項目〉

  • ヌーカラ治療12ヵ月後の炎症性バイオマーカー(IgE)のベースラインからの変化量
  • 平滑筋細胞量(気管支平滑筋層肥厚、基底膜下肥厚)と肺機能パラメータの関係

〈その他の評価項目〉

  • ヌーカラ治療12ヵ月後の肺機能(FVC、%FVC、PEF、%PEF、MMF、%MMF)のベースラインからの変化量
  • ヌーカラ治療12ヵ月後の血中好酸球数のベースラインからの変化量
  • ヌーカラ治療12ヵ月後のFeNOのベースラインからの変化量

解析計画

肺機能は、FEV1、%FEV1、FVC、%FVC、PEF、%PEF、MMF、%MMFを測定および算出した。
気道リモデリングパラメータは、基底膜下肥厚、気管支平滑筋面積の割合、気管支平滑筋層肥厚、上皮完全性(上皮損傷の割合:損傷または露出した上皮割合)とした。統計解析にはSPSS 21.0ソフトウェアを使用した。すべてのデータは平均値±標準偏差で要約し、ヌーカラ治療前後の比較にはWilcoxon検定またはPaired t 検定を用い、有意水準はp<0.05とした。平滑筋細胞量(気管支平滑筋層肥厚、基底膜下肥厚)と肺機能パラメータの関係については、Pearsonの相関分析を行った。

安全性

本論文中には安全性の記載がありませんでした。ヌーカラのDrug Informationの安全性情報をご参照ください。

FEV1:1秒量、%FEV1:対標準1秒量、FVC:努力性肺活量、%FVC:対標準努力性肺活量、PEF:ピークフロー、%PEF:対標準ピークフロー、MMF:最大中間呼気流量、%MMF:対標準最大中間呼気流量、ACT:喘息コントロールテスト、FeNO:呼気中一酸化窒素、IgE:免疫グロブリンE

「気道リモデリング」とは?

「気道リモデリング」とは?

1)足立 満 編:インフォームドコンセントのための図説シリーズ 喘息 改訂3版, 2009より作図
2)Domvri K et al:J Allergy Clin Immunol 2025;155(2), 425-435より改変
利益相反:著者にグラクソ・スミスクライン(株)が講演料および助成金を支払った者が含まれた。
また、本試験に関わる費用はグラクソ・スミスクライン(株)が負担した。

(2)有効性(海外データ:リアルワールドエビデンス)

1)ヌーカラ治療12ヵ月後における喘息増悪の発現頻度およびFEV1のベースラインからの変化量

ヌーカラ治療12ヵ月後における喘息増悪の発現頻度およびFEV1のベースラインからの変化量

2)ヌーカラ治療12ヵ月後におけるACTスコア、%FEV1のベースラインからの変化量 (主要評価項目)

ヌーカラ治療12ヵ月後におけるACTスコア、%FEV1のベースラインからの変化量 主要評価項目

3)ヌーカラ治療12ヵ月後における気道リモデリングパラメータのベースラインからの変化

ヌーカラ治療12ヵ月後における気道リモデリングパラメータのベースラインからの変化

4)ヌーカラ治療12ヵ月後における肺機能、炎症性バイオマーカー等のベースラインからの変化量

ヌーカラ治療12ヵ月後における肺機能、炎症性バイオマーカー等のベースラインからの変化量

(3)Limitation

リアルワールドアウトカム研究であり、プラセボ対照群がないという限界があるが、好酸球性重症喘息に対する生物学的療法は十分に根拠があり、ガイドラインで推奨されている治療法である。そのため、当治療集団に対してプラセボ対照は非倫理的であり、組織リモデリングに対するヌーカラのこれまでのプラセボ対照研究と一致していた。組織生検測定は、参加者全員が、12ヵ月のヌーカラ治療後のアウトカムを評価できるようにペア生検サンプルを持っていなかったが、解析に適した生検の患者と評価できなかった患者との間に、ベースライン特性または臨床結果に差はなかった。したがって、評価対象集団に選択バイアスがある可能性は低い。気管支内生検は分析に十分な品質ではない可能性があることが認識されており、本研究では計画された研究数でこれを考慮した。

重症喘息における好酸球とIL-5の働きはこちら

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製剤写真及びPDF資料は、患者指導の目的に限りダウンロード頂けます。

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