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原発性腋窩多汗症とは
定義・症状

多汗症とは [1] [2]

多汗症とは、体温調節の役割を担うエクリン汗腺の機能亢進により、全身性あるいは局所性に必要量以上の発汗を生じる疾患です。多汗症は原因により、大きく2種類に分類されます。

原因による多汗症の分類

  • 原発性多汗症:明らかな器質的原因のないもの
  • 続発性多汗症:他の疾患や使用薬剤の影響で発症するもの(二次性多汗症)

なお、発汗のタイプは温熱性と精神性の2種類に大別されます。

腋窩多汗症とは [2] [3]

腋窩多汗症は局所多汗症の中でも頻度が高く、米国や日本の疫学調査では多汗症全体のおよそ半数を占めるとされています。精神性発汗を主とする手掌や足底と異なり、腋窩の発汗は情動刺激と温熱のいずれにも影響される点が特徴です。患者の多くは左右対称性に症状を呈します。

腋窩多汗症は、患者の日常生活に支障を及ぼし、QOLを著しく低下させうることが知られています。 [4] [5]

腋窩多汗症患者にみられる悩み

  • 汗の目立つ服が着られない
  • 一日に何度もシャツを着替える
  • 公共の場で人目が気になる
  • 対人関係において気後れする
  • 学業や仕事に集中できない
  1. Sato K, et al. J Am Acad Dermatol. 1989; 20: 713-726
  2. 原発性局所多汗症診療ガイドライン策定委員会. 日皮会誌. 2023; 133: 157-188
  3. Strutton DR, et al. J Am Acad Dermatol. 2004; 51: 241-248
  4. Naumann MK, et al. Br J Dermatol. 2002; 147: 1218-1226
  5. Campanati A, et al. Clin Ther. 2003; 25: 298-308