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診断・治療

片側顔面痙攣の診断について

臨床的特徴

片側顔面痙攣は、特徴的な発症・進展様式と視診所見から、診断は比較的容易に下せます。片側顔面痙攣の臨床的特徴は以下のようになります。[1]

  1. 中年以降の発症が多く、女性に多い。
  2. 眼瞼周囲の攣縮で発症し、次第に増強し口角周辺に進展する。
  3. 随意運動や精神的緊張で痙攣が誘発される。
  4. 罹患筋間に共同運動を認める。
  5. 軽度の顔面神経麻痺を伴うことがある。

鑑別すべき疾患

鑑別すべき疾患として、眼瞼痙攣、眼部ミオキミア、チック、顔面連合運動があげられます。[2]
ほとんどの場合、眼瞼痙攣は両側性ですが、片側顔面痙攣はその名のとおり片側性です。また片側顔面痙攣では、同側顔面筋の収縮は同期的ですが、眼瞼痙攣でしばしばみられる口部ジスキネジアは、眼瞼の攣縮と同期しません。
眼部ミオキミアは、線維束性収縮の群発により、体表面からさざなみ状の不随意収縮が観察できる現象です。針筋電図で特有の筋放電パターンを観察できれば、診断は確実です。
チックの場合は、瞬目や顔しかめなど鑑別の難しい症状がありますが、一時的に症状を抑制できるかどうか、筋収縮が同期的であるかどうかが鑑別診断のポイントになります。
顔面連合運動との鑑別のポイントは、Bell麻痺の既往の有無です。

 

  1. 小林武夫編. 顔面筋の異常運動 片側顔面痙攣と病的共同運動の臨床, 金原出版, p69, 2002
  2. 目崎高広, 梶 龍兒. ジストニアとボツリヌス治療(改訂第2版), 診断と治療社, 2005

片側顔面痙攣の治療について

片側顔面痙攣は生命に支障をきたす疾患ではなく、機能的な疾患なので患者さん自身の痙攣を止めたいという希望がある場合に、はじめて治療となります。治療法にはボツリヌス療法、向精神薬や抗てんかん薬などの内服療法、手術などがあります[1]

ボツリヌス療法

攣縮している筋にボツリヌス毒素製剤を注射します。ボツリヌス毒素製剤は神経筋接合部で神経終末に作用し、アセチルコリンの放出を抑制します。これにより、アセチルコリンを介した筋収縮が阻害され、筋の攣縮および緊張を改善します。この作用によって、片側顔面痙攣を抑制します。個人差はありますが、 通常1回の施注で約3~4ヵ月効果が持続します。

内服療法

向精神薬、抗てんかん薬などを内服する治療法があります。

手術

神経血管減圧術(JANNETTA手術)があります。原因を取り除く根治的な手術の重要性は高いと考えられます。ただし、片側顔面痙攣は生命に関わる病態ではありませんので、患者さんが忌避する傾向がみられます。

  1. 目崎高広, 梶 龍兒. ジストニアとボツリヌス治療(改訂第2版), 診断と治療社, 2005