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痙攣性発声障害 投与方法

編集協力:高知大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授 兵頭 政光 先生

用法・用量

痙攣性発声障害におけるボトックスの用法・用量は、内転型と外転型で異なります。

〈内転型〉
初回投与:片側の甲状披裂筋に2.5単位
再投与:片側または両側の甲状披裂筋に片側あたり最大2.5単位(両側投与の場合は合計で最大5.0単位)
    投与量は症状に応じて適宜増減、投与間隔は3ヵ月以上あける

〈外転型〉
初回投与:片側の後輪状披裂筋に5.0単位
再投与:片側の後輪状披裂筋に最大5.0単位
    投与量は症状に応じて適宜増減、投与間隔は3ヵ月以上あける

《薬液の調製》
痙攣性発声障害の治療では、片側あたり(1筋あたり)の薬液量を0.1mLとすることが推奨されています。
このように薬液量を固定する場合、溶解に用いる生理食塩液の量は、ボトックスの投与量に応じて調整することになります。一例として、2.5単位を投与する場合なら、50単位製剤を2mLの生理食塩液で溶解するのが一般的です

▼ 調製の例(50単位製剤を用い、薬液量を0.1mLとする場合)

投与量 溶解液の量
(日局生理食塩液)
溶解後のボツリヌス毒素濃度
1.0単位 5.0mL 0.1mLあたり1.0単位含有
1.25単位 4.0mL 0.1mLあたり1.25単位含有
2.5単位 2.0mL 0.1mLあたり2.5単位含有
5.0単位 1.0mL 0.1mLあたり5.0単位含有

※「溶解液の量(mL)=5÷投与量(単位)」の計算式を用いると便利です。

《経過観察と再投与[1]
ボツリヌス療法の効果は通常、投与後2〜3日で現れ、1〜2週で安定します。したがって、投与後1〜2週の時点で経過観察を行い、効果と副作用の有無を確認することが推奨されます。
効果持続期間は通常3〜4ヵ月であり、効果減弱後は再投与を行います。中和抗体産生のリスクを低減するため、3ヵ月以内の再投与は避けてください。
再投与の際には、前回の治療で得られた効果・副作用に応じて、治療内容を調整することが重要です。すなわち、効果が不十分であった場合は増量や両側投与、嗄声などの副作用が強かった場合は減量や片側投与を検討します。このような調整を通じ、患者ごとに治療を最適化することが可能となります。
片側投与に比べ、両側投与では効果・副作用がともに強く現れる傾向にあります。両者の選択においても、有効性と安全性のバランスに配慮することが重要です。
なお、片側あたりの最大投与量は内転型2.5単位、外転型5.0単位と規定されています。また、外転型に対する両側投与は行わないでください。両側の後輪状披裂筋に投与した場合、声門の閉鎖・狭窄による呼吸困難などを生じる可能性があります。

ボトックスの注射方法[2]

<事前の準備>

患者の姿勢は背臥位とします。

内転型では、耳朶にアース、頸部に基準電極を貼付します(左図)。アースは左右どちらに取り付けてもかまいません。
一方、外転型では投与側の耳朶にアース、オトガイ部に基準電極を貼付します。

肩枕を入れて、頸部を伸展させると、喉頭部が見やすくなります。

刺入部位の周辺はアルコール綿などで消毒します。
一般的に局所麻酔は不要です。

内転型への投与(甲状披裂筋に注射)

輪状軟骨の上縁において、正中から5mmほど外側を刺入点とします。
外側へ30°、上方へ30°の角度を目安として針を進めていくと、輪状甲状間膜を貫通する手ごたえがあり、そこからわずかに針を進めると、甲状披裂筋に到達します。

注射針が甲状披裂筋に到達したら、「声を出す」「息をこらえる」といった動作を患者に行わせます。
筋電図により筋活動を確認できたら、薬液を注入します。

外転型への投与(後輪状披裂筋に注射)

投与側とは反対の方向へ、患者の頭部を回旋させ、指で頸動脈を保護しながら、輪状軟骨の後面を狙って注射針を刺入します。
輪状軟骨に到達した時点で、やや針先を引くと、後輪状披裂筋に入ります。

注射針が後輪状披裂筋に到達したら、「鼻から強めに息を吸う」「深く息を吸い込む」といった動作を患者に行わせます。
筋電図により筋活動を確認できたら、薬液を注入します。

《片側投与における投与側の決定》
片側投与では、左右どちらかの声帯に対して注射を行いますが、投与側の違いが有効性や安全性に影響するというエビデンスはありません。
一般的に、右利きの医師が患者さんの右側に立つ場合であれば、内転型では左側への注射、外転型では右側への注射が行いやすいとされます。特殊な所見がみられない患者さんの場合は、利き手に応じて投与側を決めてもよいでしょう。
両側のバランスを取るため、左右交互に投与する、という方法もあります。

患者さんによっては、解剖学的バリエーションを考慮した上で投与側を決定します。
内転型の治療では、輪状甲状間膜に注射針を刺入しますので、輪状甲状間膜の硬化がみられる側を避けます。
外転型の治療では、通常、異常な緊張が強い側の後輪状披裂筋を選択します(左右差がみられる場合)。また、血管への注射針刺入を未然に防ぐため、総頸動脈の彎曲や走行異常がみられる側を避けます。高齢者への投与では、特に注意が必要です。
さらに、病型を問わず、頸部手術の既往がある側はなるべく避けましょう。

《外転型痙攣性発声障害治療時の注意》
外転型痙攣性発声障害への投与前には内視鏡検査を行い、声帯の動き具合と声門の広さを確認してください。
通常は、異常な緊張が強い側の後輪状披裂筋を投与筋として選択します(左右差がみられる場合)。
投与前の検査では、反対側の声帯が十分に動くことも確認しておきます。薬剤の筋弛緩作用により、投与側の声帯が動かなくなった場合、反対側の声帯の動きが悪いと、喘鳴や呼吸困難を生じる可能性があるためです。

  1. 熊田政信ほか. 音声言語医学. 2001;42:355-361
  2. 熊田政信. 喉頭. 2014;26:87-91

痙攣性発声障害 投与方法動画

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本コンテンツは日本国内の医療従事者向けです。
製剤写真及びPDF資料は、患者指導の目的に限りダウンロード頂けます。
ボトックスは、米国法人のアラガンインコーポレーテッド(米国アラガン社)が有する登録商標です。