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診断・治療

斜視の診断[1]

斜視の診断は病歴から推定できることが少なくありません。問診では、「いつから」「どちらの眼が」「どうなったか」といった経緯を要領よく聴取することが大切です。
さらに視診では全体および頭位の観察を行い、必要に応じて各種の検査を実施します。
診断では器質的疾患による続発性斜視を鑑別する必要もあります。眼球内疾患として最も注意を要するのは網膜芽細胞腫です。さらに、先天白内障などの眼底疾患による斜視もまれではありません。眼球外疾患としては、眼窩内および頭蓋内の腫瘍に注意すべきです。
また、見かけ上は眼位がずれていても実際には両眼の視線がそろっている状態を偽斜視といいます。

診断の進め方(3歳以上の患者)

[1]丸尾敏夫ほか.斜視と眼球運動異常,文光堂,東京,2002

斜視の治療選択肢[1],[2]

斜視の治療には非観血的治療と手術療法があります。
屈折矯正とは眼鏡やコンタクトレンズによる視力の矯正で、遠視から生じる調節性内斜視が主な対象です。
プリズム矯正では、プリズム眼鏡により斜視角を矯正します。
さらに、その他の非観血的治療として、両眼視機能の回復を目的とした視能訓練や、眼位の調節を目的としたボツリヌス療法があります。
非観血的治療で十分な効果が得られなかった場合や、こうした治療の対象とならない場合は、手術療法が検討されます。手術療法には、筋弱化術(後転術、切腱術、切筋術など)、筋強化術(短縮術、前転術、縫縮術など)があります。

  • 屈折矯正(眼鏡、コンタクトレンズを用いて視力を矯正)
  • プリズム矯正(プリズム眼鏡を用いて斜視角を矯正)
  • 視能訓練
  • ボツリヌス療法
  • 手術療法
    • 筋弱化術(後転術、切腱術、切筋術など)
    • 筋強化術(短縮術、前転術、縫縮術など)

[1]松橋正和編.よくわかる病態生理13・眼疾患,日本医事新報社,東京,2009

[2]大庭正裕ほか.あたらしい眼科.2002;19:1557-1564